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動物病院の診察券を考える:まるで小児科

2025.11.25

動物病院の診察券を考える:まさに小児科

前回のブログ「動物病院の診察券を考える:カラーリング」に続いて、今回も動物病院の診察券について深堀りしていきたいと思います。とは言いつつ、今回も動物病院に限った話ではなく、クリニックの診察券全般について適合する内容になるかと思います。

診察券を制作するにあたり、デザインの選択のプライオリティをどこに設定するのかはクリニックによって微妙に違ってきますが、特に動物病院の場合はクリニックが発信する「親しみやすさ」や「前向きな姿勢」を意識してデザインを選んだ方がいいと考えています。

ペットは家族

動物病院では飼い主のペットの診察・治療を行っています。飼い主は一緒に暮らすペットと多くの時間を過ごし、数年から長ければ20年近くも人生を共にします。よく「ペットは家族」という言い方をしますが、日々愛情を注ぐ飼い主にとっては「家族」以外の何者でもありません。

飼い主にとってペットは家族

多くの犬や猫、鳥などのペットは現代では室内で飼い主と一緒に過ごします。飼い主はペットにご飯を食べさせ、排泄の世話をして、一緒に散歩し、一緒に遊びます。病気になったときには真剣に悩み、一緒にいるだけで大きな幸せを感じる、それがペットと暮らす生活です。ペットは人よりも弱い存在なので、飼い主は生涯を通して面倒をみなければなりません。飼い主は「親」であり、ペットは「子」なのです。

動物病院は小児科のような存在

ペットは生物的に大人になったとしても、いつまでも親を頼る「子供」です。飼い主である親に甘え、親に頼る一生を送る。それがペットです。動物病院はその「子供」を診る医療機関なので、言い換えれば小児科クリニックのような存在ではないでしょうか。親が子供に同伴して来院し、痛い注射を嫌がり、気に入った先生にしっぽを振る。医師は子供が嫌がらないよう工夫し、親に子供の健康状態を説明する。まさに「小児科」ですね。

動物病院は小児科のような存在

親は「印象」に敏感

ペットは飼い主にとって「大切な子供」です。かわいい、かわいい、そんな我が子を他人に託すわけですから、動物病院を品定めする飼い主の目は少々厳しめかもしれません。獣医師としての分析力と判断力が問われるのは言うまでもありませんが、それ以外にもクリニックの「印象」にも着目することが大切です。

度重なる医療行為を受けた後に受けるポジティブな感情が「信頼」なら、体験の回数が少ないうちに抱く先入観が「印象」です。受付スタッフの感じがよかったとか、内装がとてもセンスがあったとか、印象の多くは医療行為に直結しない部分で左右されます。良くも悪くも、印象とはそういうものなのです。1度訪れた動物病院に好印象を持った場合、おそらく次のようなものが飼い主の心に残ったことでしょう。

  • 獣医師の説明がわかりやすい
  • スタッフが笑顔だった
  • 待ち時間も快適だった
  • 内装の配色に好感が持てる
  • デザインがユニークだった
  • 配布しているエコバッグがかわいい
  • 流れているBGMがいい

現実的にありえそうな些細なことですよね。ですが、その些細なことが複合的に折り重なることによって「いい印象」が醸成されていくのです。そして飼い主に定着されるのは

  • 親しみやすさを感じる
  • 柔軟に対応してくれそう
  • 安心してお願いできそう

というポジティブな印象です。なぜ、些細な部分からポジティブな印象抱いたのか、おそらく飼い主自身も気づいていないと思いますが、クリニックの細部に「ポジティブ」なエッセンスがあることに敏感に反応した結果でしょう。「大切な我が子が元気になって欲しい」「動物病院に行くことで明るい未来が待っている」そう願うのは親の心です。内装やデザインに人間的なユニークさや明るさがあることによって、クリニックが「ペットたちを歓迎しポジティブな未来に導いてくれる」と感じるのだと思います。

小児科と動物病院に求められるイメージ同じ

生成AIに「小児科クリニックに求められるイメージは?」と質問したところ、次のような回答がありました。

小児科クリニックは、「病気が治る安心感」と「病院らしくない親しみやすさ」を両立し、「またここに来ても大丈夫」と子どもが思えるようなポジティブな体験を提供することが最も求められるイメージと言えます。

これはまさに、動物病院が求められるイメージそのものです。病院である以上「医療の力」が最も求められるものですが、未来を明るくしてくれるような「ポジティブ」なエッセンスも動物病院には必要だと考えています。「病気が治る安心感」と「病院らしくない親しみやすさ」を両立した診察券のデザイン。そんなもの、どこを探したらありますか?デザイナーズ診察券にはあります!ご安心ください。

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ブログライター

WRITER

ながしま 明

複数のデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、写真、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。

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