クリニックのEメールは何がベスト?
2018.5.15インターネットの普及にともない、現在ではEメール(E-Mail)を使った連絡のやり取りが電話を凌ぐ勢いで一般的なものになっています。総務省の調べでは2016年のインターネット利用者数は1億84万人(日本の人口を上回るという奇妙な数字になっていますが…)ビジネスシーンではコニュニケーションのほとんどをEメールで行う分野も増えています。書類の送付、意思の確認、複数人への連絡、友人とのやり取り。とにかくEメールがないと機能しない世の中であることは間違いない今日です。
本サービス【デザイナーズ診察券】も、お客さまとのやり取りにEメールを利用していますが、クリニックのEメールについて「知っておいてよかった」ということもありますので、ここに紹介させていただきます。
Eメールの仕組みを理解する
Eメールはどういう仕組みで送受信されるのか?正直それは知っていても知らなくても、どっちでもいいことですが、大まかに理解しておくとスッキリするので簡単な図で紹介させてください。
Eメールを送信する側と受信する側では、それぞれサーバーが関与しています。サーバーについては「大きなコンピューター」だと思ってください。送信者が自分が使っている「サーバーA」へEメールを送信すると、受信者が使っている「サーバーB」へ転送され、そこから受信者の元にEメールが届きます。Eメールの仲介をするサーバーは、OCNやNUROなどのプロバイダー、docomoやauといったケータイ会社、ロリポップやお名前.comといったレンタルサーバーサービスが所有していて、それらと契約することでインターネットやEメールを利用することができます。
Eメールを送受信する方法は2タイプ
Eメールを送受信する方法は大きく分けて2種類あります。
- メールソフトを使って送受信する
- ブラウザを使って送受信する
【1】は、パソコンに附属するメールソフトを使って送受信する方法です。スマホでも同じですが、windowsなら「Outlook」macなら「メール」といったソフトが付いてきますが、それらを使ってメールを送受信します。(少しややこしいのですが、ソフトのことをアプリケーションと言ったり、メールクライアントと言ったりもします。)送受信したメールの内容は、パソコンやスマホの中に保存されます。
【2】は、パソコンの中にあるメールソフトは使わず、ブラウザを使って送受信する方法です。ブラウザとはインターネットを見るためのソフト、Internet ExplorerやSafariといったソフトになります。パソコンの中にあるメールソフトは使いませんが、代わりにGoogleやYahooといったサービス(無料)を利用することになります。送受信したメールの内容は、パソコンやスマホの中に保存されず、利用するサービス(GoogleやYahoo)のサーバーの中に保存され、それをブラウザを介して確認することになります。
【1】でも【2】でも、同じようにEメールを送受信できますが、【1】の場合は、とてもデメリットが大きいことを知っておきましょう。1番のデメリットはパソコンやスマホに受信したデータがどんどん溜まっていくことです。写真や書類が添付されたEメールが何年も蓄積したらハードディスクの容量を圧迫することになり、パソコンの動きが悪くなったり、思わぬトラブルの原因になります。万が一パソコンが壊れてしまったときには、大切なEメールの内容が消えてしまうことも…。コンピューターに保存される容量は、少なければ少ないほど故障のリスクを少なくすることができます。空き容量が30GBあるからと言って、あと30GB使っていいということではありません。
スマホについても同じことが言えます。写真や動画といった容量の大きいファイルに加えEメールのデータまで蓄積されたら、あっという間に空き容量を失ってしまいます。また、盗難・紛失と悲しい出来事があると、保存されたデータを悪用されたり、得意先や友人にまで迷惑をかけることになります。パソコンでもスマホでも、コンピューターの中身は、なるべく「すっからかん」の方が安全なのです。
Eメールのドメインは3タイプ
ドメインって何?という方もいるかもしれませんが、Eメールアドレスの@(アットマーク)以降の文字列だと考えてください。Eメールが「info@●●●.com」なら「●●●.com」がドメインです。ドメインの種類を大きく分けると次の通りです。
- キャリアのドメイン
- フリーのドメイン
- 独自ドメイン
【1】は、ケータイキャリアのドメイン(docomoやsoftbankのケータイ(スマホ)を契約すると使えるドメイン)やプロバイダ(OCNやケーブルテレビといったプロバイダと契約すると使えるドメイン)のことになります。@以降が「@docomo.ne.jp」という具合にケータイ会社やプロバイダ会社の名前が入ります。【デザイナーズ診察券】のお客さまの中にもケータイキャリアのEメールアドレスを使われている方が多いのですが、ケータイキャリアのドメインは、初期設定でケータイ以外からの受信を拒否したり、添付ファイルの制限があったりと、スムーズにやり取りを行えないリスクがあります。
【2】は、GoogleやYahooといった無料サービスのドメインです。@以降が「@gmail.com」という具合にサービスの名前が入ります。クリニックで使われているアドレスでは、最も多いドメインかもしれません。ブラウザを使って送受信するので、アカウントとパスワードさえ憶えておけばパソコンやスマホに複雑な設定をする手間がないので、買い替え、紛失、故障といったときに困ることがありません。旅先のインターネットカフェでEメールを確認するのもスムーズです。
【3】は、クリニック独自のドメインになります。「info@●●●.com」という具合に、@以降にクリニックのドメインが入ります。WEB(ホームページ)をお持ちのクリニックであれば、既に持っているドメインと考えてください。独自ドメインの取得と維持には費用がかかります。しかし、事業を営む上でWEBやパンフレットを持っていることと同じように、独自ドメインのEメールは信頼性を高めるものになるので、特別な理由がない限りクリニックのEメールは【3】の独自ドメインのEメールを使った方がいいでしょう。
最適なクリニックのEメールは?
Eメールをメールソフトを使って送受信していると、パソコンやスマホの故障時に大切なデータを失ってしまう。Eメールアドレスは「独自ドメイン」を使った方がいい。ということでお薦めしたいのは「独自ドメインのEメールをgmailで送受信する」という方法です。
独自ドメイン(●●●.com)のEメールは、運用するためにサーバーを契約することになりますが、送られてくるEメールを任意のgmailアカウントへ転送する設定をしておきます。gmail側ではサーバーの情報を入れてサーバー経由で送信する設定をします。これで、オフィスでも自宅でもgmailにログインすることで、独自ドメインのEメールを送受信することができるようになります。送受信したEメールのデータは、googleのサーバーに保存されることになります。
gmailはビジネスシーンで利用者が急増しているサービスです。ビジネスではケータイキャリアやフリーメールのアドレスを使うことは信頼性を失うことになるので、gmailで送受信するけれどgmailアドレスは使わず、独自ドメインをgmailで送受信するという方法を取っている人が大多数だと思われます。パソコンも数年使っていると調子が悪くなったりするものです。ふとした時に数年前のEメールのやり取りを調べたくても、パソコンを買い替えた後では昔のデータが残っていない、なんてこともあります。gmailで送受信していればパソコンやスマホを買い替えても、データが端末ではなくgoogleのサーバーに残っているので、いつでも過去のやり取りを参照できます。パソコンやスマホの買い替えでの煩わしいメール設定も不要です。僕も数年前からgmailで独自ドメインを送受信していますが、業務効率がかなり向上しました。
WEB(ホームページ)で既に独自ドメインを持っているのに、なぜかEメールはキャリアやフリーのものを使っている。そんなのもったいないですよね?gmailで独自ドメインを送受信する。ぜひ、お薦めします!
WRITER
ながしま 明
いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。
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