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新型コロナについて考える

2020.12.10

拡大し続ける新型コロナ

2020年が終わろうとしている今、新型コロナの感染拡大が勢いを増しています。Go To キャンペーンをはじめとする事業や消費者の変化、乾燥した季節に入ったことなどが感染拡大の理由として考えられていますが、新型コロナに限らず直接的な原因については想像するしかなく、往々にして明確に断定できないものです。様々な憶測が飛び交う中でハッキリしていること、それは「新型コロナはしつこく存在する」ということです。ウィルスがどのような仕組みで世界に存在しつづけるのか、そういった知識を残念ながら持っていませんが「数ヶ月といった短期間でどこかへ行ってしまうものではない」ということだけは誰もが実感していることでしょう。私たちは新型コロナに対し、今年の春に考えていたよりも長期間を見据えた考え方を持つ必要があるのかもしれません。

新型コロナの感染はいつ終わるのか?

誰もが関心を持っているこの疑問に応えられる人はおそらく誰もいないでしょう。我々は未来を知ることはできません。日進月歩の医療分野で働くクリニックの皆さんでも、医療には必ず限界があることを身にしみていると思います。今年の春から夏にかけて新型コロナが世界を圧倒した時期、多くの人が「年内は収まらないんじゃないか」と考えたはずです。あるいは「来年なれば新型コロナはなくなっているんじゃないか」と。私自身もそのように考えていました。しかし、実際に2020年の終わりを迎えてみると、想像以上に感染が長引くことを実感せざるを得ません。感染者数5億人以上と言われる1918年のスペイン風邪は、約1年間世界を苦しめました。毎年流行するインフルエンザは、ワクチンの研究が進んでもなくなることはありません。今年の動向を振り返ると、気候の変化だけは収束の期待が持てないのが現実です。

新型コロナとビジネス

旅行、イベント、飲食、医療といった業種は新型コロナの感染によって大きな痛手を受けました。ダイレクトに影響のある業種だけでなく、我々のようなグラフィックデザイナーや企画制作会社を含め、様々な仕事に大きな影響があったと思います。本サービス【デザイナーズ診察券】を運営するデザインウルフは、有り難いことに新型コロナによる痛手は最小限にとどめ、診察券の制作過程に影響を出すことなく業務を続けることができました。ただし5月前後では、お客さまから「予定していた開業を見合わせることになった」というご報告を何件かいただいているため、新型コロナの影響が皆無というわけではありません。入院設備を容する病院ではなく小規模なクリニックにおいても、利用者の減少で経営が圧迫されたというクリニックも多いことでしょう。

大きな会社も小さな会社も、売上が下がったまま体制を維持できる会社はありません。長期間の売上低下が予想される場合、人員をはじめとするコストカットや販路の見直しが必ず必要になります。場合によっては、職種自体に大きな舵を切る施策や、倒産という選択肢も考えなければなりません。しかし、統計の数字を見ると今年の倒産件数は思うほど高くなく、前年を下回る結果が出ています。もちろん業種によって倒産件数は偏りがありますが、全体としてこの状況下で「頑張っている」と言えるでしょう。

売上が激減した業種もあれば、新型コロナの影響によってかつてない売上を更新した業種もあります。例えば、衛生・健康関連の業種。マスクや消毒液、トイレットペーパーに限らず、自宅で健康をケアするための商品はもの凄く売れたことでしょう。スーパーやコンビニに人が殺到し、ゲーム業界は空前のバブル年だったのではないでしょうか。景気が悪くて職を失った人がいる一方で、繁盛している会社は人手不足になっているはずです。減るところがあれば、増えるところあり。新型コロナによって生まれた新たなニーズが、私たちのビジネスを揺れ動かしています。

政策から学ぶこと

遅すぎる緊急事態宣言、約466億円もかけて行われたたった2枚のマスク配布、矛盾だらけの促進キャンペーン…。新型コロナに対する国の政策について、不満はあっても賞賛の声を上げる人の数は多くないでしょう。政策の内容やタイミングについて批判を述べるのは簡単ですが、厳しい局面の中での判断は並々ならぬ難しさがあったことでしょう。しかし「経済活動との両立」が果たして行動促進キャンペーンのようなものでいいのか?は疑問です。そこには、誰もが気づく矛盾がハッキリとあるからです。感染の可能性があるのに積極的に人が移動するのは、雨の日に傘を差さずに外を歩くのと同じです。雨に濡れないためには傘が必要ですが、私たちには新型コロナから身を守るための「傘」がありません。現状あるのはマスクだけ。「行動するなら自己責任で」と言われていますが、無症状者がウィルスを運ぶことが事実なら、無自覚でウィルス媒体になってしまうリスクに対し責任を取れる人がいるでしょうか。また、事態が悪化するたびに「自粛して保障」を繰り返していたら、完全に国の予算が枯渇してしまいます。国の対策に対して私たちが抱くのはこのような感情です。

  • 本当にこの方法で乗り切れるのか?
  • いつか国の予算が尽きてしまうのでは?
  • 国の予算が尽きたら年金などの保障はどうなるの?
  • 国の予算が尽きたら税金がもっと上がるのでは?
  • この先どうなってしまうのか?

国の対策はあらゆる角度から検証しても、納得ができない判断ばかりでした。とは言え、私たちは少しでも明るい未来に向かわなければなりません。賞賛できない判断も「反面教師」として捉えて、自身の今後に役立てていく気持ちが大切です。

我が国の対応で足りないとされているものは「決断力と行動力」とよく言われていますが、もう少し踏み込んで考えてみると「長期的な捉え方」が圧倒的に足らないように思えます。なぜなら現在のような対処では、かならず限界がやってくるからです。限界…。それだけは何としても避けたいものです。例えば、家族を支える父親が現金収入を得るために働きすぎて疲弊し、仕事のできない健康状態になってしまったら、それこそ不幸です。だからこそ私たちは、仕事でもプライベートでも長期間に渡って持続可能なやり方を実践するべきです。感染者の拡大、行動促進キャンペーンの疑念、医療崩壊への突入は、まさに限界が近いことを示唆しています。

悪化したら対処、という考え方は最も危険な考え方です。期間がハッキリしているものを相手にする場合はそれでもいいでしょう。しかし、未知なるウィルスと共存するために私たちに必要なのは、持続可能なものだけです。予防医学という分野があるように、私たちは会社としても個人としても「そうならないために続けられること」を探った方が賢明でしょう。もし、自分が好き勝手できる首相なら…。というお気楽な妄想で、我が国の対策を考えてみます。

  1. 自粛規制に対する保障は一切なし
  2. 平日の1日を全国民完全ステイホーム
  3. 土曜の午後を全国民完全ステイホーム
  4. 外出時のマスク着用は義務化
  5. マスクかマスクに代わるものの開発
  6. ハローワークの強化

1週間は7日間あります。7日の内1日だけロックダウンできたら、ウィルス拡散防止に効果が期待できるのではないでしょうか。期間は無期限。一定の期間状況が好転したら解除です。アクティブな人にとってステイホームは正直辛いですが、「水曜はこの先ずっとステイホーム」と決まっていたら、先が見えているだけ気が楽になるかもしれません。さらに土曜の午後をロックダウンできたら、長距離の移動が抑えられます。ステイホームもマスク着用も違反者には罰則をつくり、警察が巡回することで子供も大人も取り締まります。肝心なのは規制する代償として現金による保障をするのではなく、国の予算を使って快適に過ごせるようなマスクの開発に力を入れることや、職を失った人員をどうフォローするかです。労働の機会を失った人に、現金でフォローすることほど無意味なことはありません。仕事が少なくなった人に必要なものは「継続的に収入を得られる仕事」であって「一時的な現金」ではありません。受け皿としてたっぷりと人を雇える国営企業がそこら中にあれば言うことなしですが、まずはハローワークに予算を投じて人員を増やし、職のない人を、人の足らない会社へ動かす機能に注力します。

新型コロナに限らず、未来は地震や災害で失業者をたくさん出す可能性に満ちています。近年では発達障害を持つ人の就業も大きな問題です。仕事をしたくてもできない人に「仕事」を用意する、それは莫大な国家予算を投入しても価値のあることだと思います。

以上は完全に机上の空論でしたが、新型コロナの動向と政策の方向性から感じたのは、もっと本質的なものの捉え方をしなければいけない、ということでした。

変えていくもの 変えずにいるもの

新型コロナの感染拡大に限らず、逆風となるものが一時的なものだとわかっていたら、少し我慢することで必ず乗り越えていけるはずです。しかし、いつ終焉がくるのか予測できないものが相手なら、やはり長期を予想して対応していかないと「限界」がやってきてしまいます。先が不透明すぎると、経済破綻よりも先に精神の健康が負けてしまうことがあるかもしれません。

クリニックを経営されている皆さまにとっては、今後クリニックをどう機能させていくかの判断が求められるタイミングかと思います。診療時間はこのままでいいのか、体制を変える必要があるか、スタッフのケアは大丈夫か。新型コロナの感染拡大が予測不能な現状では、短期的な措置よりも1年、2年と継続しても無理のない継続可能な措置の方が明らかに賢明です。なぜなら、スタッフにとっても利用者にとっても、不定期なものよりも継続性のあるものの方が、精神に安定をもたらすからです。事業と職場において変えていくものと変えずにいるものを、そういった観点から判断していくことが大切です。

2020年は本当に新型コロナに翻弄された1年でした。オリンピックをはじめあらゆる計画が不履行となり、日常が崩壊し、様々なものを失った1年だったと思います。国籍や年齢、性別を超えて、良くも悪くも記憶に残る1年になったことでしょう。そんな2020年がもうすぐ幕を閉じようとしていますが、新型コロナへの対応はまだまだ終わることはありません。本質を考えて迅速に判断、そして冷静に行動。それが今、私たちに求められているような気がしています。

ブログライター

WRITER

ながしま 明

いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。