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デザインで将来を表現する

2017.11.22

デザインで将来を表現する

グラフィックデザインは診察券だけでなく、ポスター、映像、広告、カタログといった様々な分野で活躍するデザインです。グラフィックデザインの果たす役割は、視覚による情報伝達です。サービスの名称、印象、詳細を表示し、見る人が理解・行動する際に役に立つ情報を伝える役目を担っています。クリニックや店舗といった情報を発信する側とそれを受け取る側の「接点」となるため、事務的な情報を伝えるだけでなく、「意思」を表明する貴重なメディアでもあるのです。

デザインと時間軸

自分のクリニックにどんなデザインを選べばいいのか?何を選んだらいいのか、まったくわからない…。そういう方はきっと多いと思います。何をどう表現するか?それがデザインを選ぶ上で重要なポイントになりますが、時間を認識することでデザイン選びの基準が変わってきます。

時間には過去、現在、未来という3つに分けることができます。

  • 過去…いままでのもの
  • 現在…いまの状態
  • 未来…今後目指すもの

例えば、「昨年行われたイベントレポート」というものをデザインするとき、当然デザインの時間軸は「過去」に重点が置かれます。過去に行われたものの詳細をデザインでまとめ上げることで、見る人に過去の情報を伝えることができます。診療時間や住所など現在有効な情報を伝えることは、デザインの時間軸は「現在」にあります。いますぐに行動する場合に、必要になる情報を伝える役割を担います。そして、注目してもらいたいのは「未来」の時間軸です。

デザインと未来、というとピンとこない方も多いかもしれません。しかし、デザインに未来という時間軸を意識することは、デザインを決定する上で切り離せない重要事項なのです。政治、飲食、工業、農業、商業…、あらゆる分野で未来を意識することが必須です。未来をイメージしない活動は存在しないからです。それと同じく、診察券をはじめとしたクリニックのデザインが利用者との接点になる以上、診察券のような小さなデザインにも「クリニックの未来」が込められている必要があります。

将来をイメージしてデザインを考える

服を買うとき

例えば服を着る、あるいは服を買うとき、何を基準に決めていますか?服を選ぶときにも自分を対象に時間という概念が存在しています。

  • 過去…いままで着てよかった服
  • 現在…いまの自分に似合う服
  • 未来…着てみたい服

いままで着たことがなかったけれど、たまにはショッキングピンクのニットでも買ってみようかしら。そう思ってレジへ向かうあなたは、「未来」に軸を置いて服を選んでいます。素敵な男性との交際がはじまって。会社を設立して社長になって。50代になって大人の装いになりたくて。理由は色々ですが未来の自分をイメージして服を選ぶことがあるでしょう。その心理は、現状からの変化、成長を望んでのこと思います。過去や現在を切り捨てる必要は決してありませんが、未来へ向かって自分が成長し成熟することは、周囲にいい影響を与えることになるので、未来を意識した様々な決定にはとても大きな意味があると思います。デザインを選ぶときにも、「過去〜現在のクリニックに合っている」というだけでなく「将来的にこういう雰囲気のクリニックになりたい」というイメージも含めて選んでみてはいかがでしょうか?

希望の将来をデザインで

グラフィックデザインのこれからの活躍の場として「未来」という時間軸が注目されています。展示会やイベントで発表されるものには、現在では開発中で翌年完成予定のものであったり、いままで存在しなかったものが展示されています。そういった近い将来に時間軸をおいたものを、上手に伝えることができるのもグラフィックデザインの特長です。

クリニックが新規開業するときには、もちろん過去の実績はありません。当然、デザインを選択する際の時間軸は「未来」に向いていることでしょう。3年後、10年後にどんな印象のクリニックにしたいか、そういったことを考えながらデザインを選ぶことになります。既に長年営んできたクリニックの場合でも、科目の増減や移転といったきっかけで「印象を変えたい」という時があると思います。その時には過去や現在だけでなく、未来を見据えた考え方が必要になります。

デザインには、希望する未来へ推し進める推進力があります。クリニックの診察券は、クリニックの利用者だけでなくクリニックのスタッフも毎日手にするアイテムです。繰り返し目で認識することでクリニックの印象は知らず知らずのうちに、デザインのもつ印象に定着されていきます。明るい服を着ることによって明るい気分になるように、デザインで描かれたその印象は、クリニックが目指す将来を照らす道標となって、想像以上の効果を上げてくれることでしょう。

ブログライター

WRITER

ながしま 明

いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。

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