診察券作成のヒント:診察券の受付時間表記
2021.5.19ほとんどのクリニックの診察券やWEBにはクリニックの受付時間を明記してあり、何曜日の何時にクリニックへ行けばいいのかわかるようになっています。診察券やWEBにクリニックの受付時間を表記するのはマナーであり、クリニックの利用者への配慮として絶対条件です。デザイナーズ診察券の診察券も、文字や表を使って受付時間がわかるよう診察券を制作していますが、そこで考える必要があるのは時刻の表し方です。取り立てて難しく考える必要はないのですが、表記に間違いがあってはいけないことと、利用者にとって「わかりやすいかどうか?」を踏まえて考えることが大切です。
これから開業してクリニックをスタートする、または診察券を刷新する際に、クリニックの受付時間を表記について以下のことを決めておきましょう。
- 「受付時間」と「診療時間」どちらにするのか?
- 「24時間表記」と「12時間表記」どちらにするのか?
「受付時間」と「診療時間」の表記の違いって何?
「受付時間」と「診療時間」って同じじゃないの?という疑問もあると思いますが、厳密には同じではありませんよね。「受付時間」はクリニックが受付してくれる時間、「診療時間」はクリニックが診療してくれる時間です。診療時間が12:00までとなっているクリニックに患者さんが11:50に訪れた場合、既に午前中の受付が終了していて診療してもらえないことがあります。これはクリニックが受付を終了30分前に設定しているからです。
診察券やWEBで表記する時間は、受付時間でも診療時間でも問題ありませんですが、2つの表記ではクリニックと患者さんのどちらの立場に立ったものなのかが異なります。
- 「受付時間」は患者さん側の立場
- 「診療時間」はクリニック側の立場
受付時間という表記なら、患者さんは「その時間に行けば大丈夫」と認識することができるので、受付時間と診療時間の違いによるトラブルはありません。診療時間という表記を使う場合はトラブルを避けるためにも、以下のように「受付がいつ終了するのかがわかる情報」を追加した方がいいでしょう。
受付時間も診療時間も言葉として表記しないで時間だけ表記した場合、患者さんの多くは「受付時間」として認識します。それは患者さんが医師や看護師のようにクリニックの立場ではなく、あくまで患者さん側の立場で表記された時間を認識するからです。クリニック側から見た「診療時間」よりも、患者さんの側から認識しやすい「受付時間」を表記した方が利用者に配慮しているので、特別な理由がない限り診察券やWEBには「受付時間」を表記することをお薦めしています。
「24時間表記」と「12時間表記」わかりやすいのはどっち?
多くのクリニックでは、昼の休憩を挟んだ「午前」と「午後」に診察や治療を行っていると思います。そこで気になるのは時間の表し方を「24時間」と「12時間」のどちらにしたらいいか、ということ。それぞれの一般的な例は以下の通りです。
クリニックの受付時間が上記のようなら、このような表記で問題ありません。午前の欄に12:00があり、昼の12時は正確には午前でも午後でもない「正午」となりますが、深夜の12時と誤解してしまうようなことはクリニックの時間表において考えにくいため、あまり神経質になる必要はありません。ただし、午前の受付時間が12:30までに設定した場合や、土曜だけ13:00まで受付する場合は、その欄について「午前」とは言えないため、12時間表記では時間の表し方が誤りとなってしまいます。受付時間が午前からはじまって午後に渡る場合は、12時間表記ではなく24時間表記で表記することをお薦めします。
12時間表記は少々注意が必要ですが、24時間表記の場合は誤解やトラブルのリスクがほとんどありません。時間を表ではなくシンプルな文字情報で表記した場合でも、12時間表記よりも24時間表記の方がシンプルなため理解の速度が早く、伝わりやすい表記と言えます。
多くのクリニックでは24時間表記を採用し、裏面の予約表など手書きで記載する場合にも誤解が生まれにくい24時間表記で記入する場合がほとんどです。高齢者が多く利用する電車やバスといった公共交通機関の時刻表も24時間表記です。口頭では「夕方の7時」といった形で12時間表記を使うことがあると思いますが、文字情報ではより正確な24時間表記を採用することが現代では大多数となっています。デザイナーズ診察券でも基本的に24時間表記をお薦めしています。
患者さんの「わかりやすさ」が大切
診察券やWEBの情報は、クリニックと患者さんをつなぐ大切な情報です。その情報はクリニックの事情や主張よりも、できるだけ患者さんの立場に立って考えて整理しましょう。特に受付時間といった情報をわかりにくい表記にしてしまうと、患者さんとの些細なトラブルの原因にもなりかねません。診察券やWEBはクリニックが経費を使って用意するものですが、あくまで患者さんのためのものであることを忘れずに制作しましょう。デザイナーズ診察券では、できるだけクリニックの利用者がわかりやすいよう、情報を整理しつつ診察券のレイアウトを行っています。受付時間が曜日によって変則的な場合でも、経験豊富なデザイナーがなるべくシンプルになるよう、診察券をアレンジしますので安心してご注文ください。

WRITER
ながしま 明
いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。
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