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デザインと診察券

2016.9.15

デザインと診察券

「診察券のデザイン」と聞いて「え?診察券にデザインって必要なの?」と思う人もいるかもしれません。そもそも「デザインって?」という人もいるでしょう。様々なデザインに囲まれて生活しているものの「デザイン」について正しく理解している人は意外と少ないと思います。デザインって一体何なのか?デザインは診察券にとってどんな関わりを持っているのか?開業する予定の医師の方、診察券を見直したい方は、ぜひこのブログを読んでいただけたら幸いです。

デザインって何?

近代社会で暮らす私たちは、ビル、住宅、服、食品、家電、WEB、印刷物など、実に様々なデザインに囲まれて生活しています。デザインの種類を大きく分類すると建築を中心としたアーキテクチャ、商品を中心としたプロダクト、服飾を中心としたファッション、視覚伝達を目的としたグラフィックの4つがあります。最近ではコミュニケーションはライフスタイルなど、形を持たないものを設計することも「デザイン」と呼んでいるため、多様な分野にまたがる「デザイン」ですが、ここでは視覚伝達を目的としたグラフィックデザインについて考えていこうと思います。

グラフィックデザイン

デザインの定義は様々ですが、シンプルに整理すると「デザインとは目的を持って設計(表現)されたもの」です。これはグラフィックデザインに限らず多くの分野のデザインに共通して言える定義です。色々と小難しく考えるよりデザインを理解する上で、わかりやすい言葉だと思います。グラフィックデザインはその中でも平面的で目で見ることのできるもの。ポスターやカタログなどの印刷物がその代表と言えますが、テレビや映画などの映像、WEB、商品パッケージ、ロゴ、内装の装飾といった広い分野で活用されています。私たちが毎日使っているお金(紙幣・硬貨)もグラフィックデザイン、国旗やマーク、道路の標識をはじめとする公共のサイン、Tシャツにプリントされた文字もグラフィックデザインです。

診察券とデザイン

よくある誤解ですが、デザイナーにデザイン料を払ってデザインされたものや「複雑で凝ったもの」だけがデザインではありません。例えば、何の装飾もされていない名刺や、営業マンがつくった企画書や請求書、そういったものも「目的を持って設計(表現)されたもの」である以上、それはデザインです。診察券も例外ではありません。絵や写真が入っていなくても「デザイン」であることが理解できれば、診察券にデザインが必要かどうか?ということではなく、どんな診察券でもデザインの形であることがわかります。

診察券のデザイン

上の2つの診察券は、かなり見た目の違う診察券ですが、どちらも「デザインされた診察券」です。左のシンプルなものは「デザイン」じゃないんじゃないの?と思ってしまう人もきっといるでしょう。しかし、白地にシンプルにクリニック名をレイアウトしただけのものでも、診察券という目的を持って形になったものである以上「デザイン」なのです。

ブログライター

WRITER

ながしま 明

いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。

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