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診察券作成のヒント|受付時間と診療時間の違い

2016.12.27

受付時間と診療時間

診察券はクリニックにとっては業務を効率化するものですが、それと同時にクリニックを利用する患者さんが「使う」ものなので、利用者の立場に立った考え方でつくる必要があります。クリニックの都合だけでなく患者さんの「わかりやすさ」に配慮することは決して特別なことではなく、押さえておきたい「マナー」です。とても細かいことですが、診察券に表記する「時間」もその1つです。

診察券の表面または裏面に表記するクリニックの運営時間には、一般的に2種類の表記があります。それは「受付時間」と「診療時間」です。クリニックの運営方針によってどちらの表記を採用するのかが決まりますが、きちんと表記しないと利用者の誤解やトラブルの原因になることもあるので、気をつけましょう。「受付時間」を表記する場合でも「診療時間」を表記する場合でも、利用する患者さんのために、わかりやすく表記することが何よりも大切です。

受付時間を表記する

受付時間の例

例えば、午前中の診療を9:00〜12:00に受け付けるとき、受付時間を基準に表記する場合は、上記のように「【受付時間】9:00〜12:00」と表記します。診察券や保険証といった受付に必要なものを12:00までに提出すれば受付は完了し、診療を受けることができます。クリニックが混雑していて、順番待ちが何人もいたとしても、12:00までに受付をすることで午前中の診療を受けることができるという約束事になります。実にシンプルでわかりやすい表記ですが、実際に診療する時間の限度が曖昧になるので、医師やスタッフの負担は考慮しなければなりません。しかし、クリニックの利用者にとっては何時に行けば診療を受けられるのかが「受付時間」によって明確にわかるので、受付時間を基準に表記するのは、利用者の立場に立った考え方に基いていると言えるでしょう。

“診察券裏面の例:受付時間“/

裏面に受付時間の表をレイアウトした場合、このようになります。表の中に「受付時間」と表記されていれば、利用者は「その時間内にクリニックに行けばいい」と考えます。

診療時間を表記する

診療時間の例

診療時間を基準に表記する場合は、上記のように「【診療時間】9:00〜12:00」と表記します。医師やスタッフにとって、勤務時間を理解する上で大変わかりやすい表記と言えますが、その半面、利用者にとっては誤解を招くトラブルがあります。体調を崩してクリニックに訪れる利用者が「12:00までに間に合うよう急いで来たのに、受付が終了していてガッカリした。」といったことにならないよう、診療時間の表記だけでなく受付時間についてもしっかり補足しておく必要があります。「受付は診療終了30分前まで」といったわかりやすい言葉を表記しておくことで、時間の誤解によるトラブルを未然に防ぐことができます。

“診察券裏面の例:診療時間“/

裏面に診療時間の表をレイアウトした場合、このようになります。表の中に「診療時間」と表記し、「受付は診療終了30分前まで」と加えておけば、利用者は「診療終了30分前までにクリニックに行けばいい」と考えます。

また、時間を表記する際、時刻の前にAM・PMまたは午前・午後とつけることがよくありますが、時間の表記にも注意が必要です。それについては別の記事「受付時間の表記はAM?午前?」をご参照ください。デザイナーズ診察券では、ベースとなる診察券の裏面のレイアウトサンプルを選んで注文することができます。ご注文前にぜひ、ご参照ください。

デザイナーズ診察券をご注文いただいているお客さまには、「受付時間」を表記するクリニックさまも「診療時間」を希望されるクリニックさまもいらっしゃいます。どちらを採用されるかはクリニックの運営方針によると思いますが、診察券への表記は「できるだけシンプルにわかりやすく」という配慮を忘れずにいましょう。診察券の表記はトラブルを回避するというクリニック側の意図もありますが、診察券はあくまで「患者さんのためのもの」という意識で制作しましょう。

ブログライター

WRITER

ながしま 明

いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。

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