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診察券の色再現を理解する

2019.3.20

診察券の色再現

デザイナーズ診察券では、診察券の表面をフルカラーで印刷しています。印刷は4色印刷を呼ばれる一般的なものですが、どんな色でも再現できるというわけではありません。色味について、細かいこだわりがない場合には気にする必要はありませんが、クリニックのイメージカラーなど具体的な色を再現したい場合は、診察券の色再現について少し理解しておいた方がいいかもしれません。

印刷による色の違い

まずは、印刷の種類によって色の出方が違うことを知っておきましょう。世の中には代表的なオフセット印刷の他に、オンデマンド、シルクスクリーン、インクジェットといったいくつかの印刷の種類があります。ちなみに、家庭用のプリンターの多くはインクジェット、業務用のカラーコピーはレーザープリントです。デザイナーズ診察券ではペーパーカードにオフセット印刷、プラスチックとペットカードにオンデマンド印刷を採用しています。

現在、印刷業者に頼んで印刷されるものの多くは、オフセット印刷とオンデマンド印刷です。オフセット印刷では、特例として特色と呼ばれる単独のインクで、金や銀などの色を追加することもできますが、通常ではCMYKという4つのインクでフルカラーを表現するため、金や銀、蛍光色といった色を再現することはできません。よく屋外看板や入り口のサインに使われるカッティングシートは、着色されたシート貼り付けているもので、診察券の印刷ではそういったものと厳密に色を合わせることはできません。もちろん、色味によっては比較的合わせやすいカラーもあります。赤、青、黄、緑といった原色。それと黒やグレーの無彩色は印刷方法が違っても合わせやすい配色になります。

それぞれ印刷のプロセスや使用するインクが異なり、また同じ印刷方法でも印刷機が多様なため、同じデザインデータから印刷したとしても、まったく同じ色再現は困難です。また湿度や温度、印刷機のコンディションといった条件が加わると、さらに厳密な色再現は難しくなります。そのため印刷では必ず「印刷するたびに少しずつ色が違う」という現象が起こってしまうのです。

厳密な色再現は難しい

もちろん、赤が黄色になってしまうことはないのですが、オレンジと赤の間くらいの「濃いオレンジ」といった微妙な色の場合、印刷するたびに若干のブレ幅が生じることになります。昔と比べると印刷機の精度は高くなってきましたが、やはり精度を高めるのは機械の数値ではなく人の目。コストを重視しなければならない現代の印刷では、熟練の技術者が1つ1つの印刷をくまなくチェックすることは難しいのです。

RBG配色に注意

エクセルなどのソフトを使って配色したカラーを、診察券の見本としていただくことがありますが、多くの場合それらの色は診察券の印刷では再現することができません。使用するアプリケーションにもよりますが、配色がRGBになっていると印刷で使用するCMYKの配色とかけ離れた色になってしまいます。RGBは画面での色、CMYKは印刷での色、と理解するといいでしょう。RGBで配色された画面用の色では、蛍光色のような発色の高い色を配色することができますが、印刷ではもちろんそれを再現することはできません。

RGBで配色された画面用の色

また、画面で見ている色と印刷に再現される色はまったく異なるものです。画面で確認したときには鮮やかなオレンジだったのに、印刷したら地味な色に…。なんていうケースもよくある話です。印刷を熟知しているデザイナーの場合、画面上での色は全体のバランスを判断するために参照し、実際の色については頭の中に整理した「印刷の数値」で配色しています。プロではない方が画面用の色であるRGBで色を考えた時に、よく起こる現象です。

高濃度のCMYK配色に注意

近年よくあるケースですがロゴやデザインのデータをいただいた際に、色指定が高濃度になっている場合があります。例えば「黒」。印刷を知っているデザイナーであれば、黒を指定するには「K100%」と指定します。しかし、知識の薄いデザイナーがデザインしたものは「C67% M75% Y63% K83%」といったかなり濃度の高い数値が指定されていて、そのまま印刷するとインクが過剰に盛られて滲んでしまうといったことに…。

高濃度のCMYK配色

例えデザイナーの経験が浅くても、そういった指定は「ありえない」ことですが、知識と訓練を積まずに仕事をしている場合、そういったことが起こるのかもしれません。デザイナーズ診察券では、いただいたロゴデータやデザインデータも、色指定が高濃度になっていないかチェックしてから印刷しているので、その点はご安心ください。

細かなことはプロに任せる

診察券の色再現について、少し理解は深まったでしょうか?少しばかりネガティブな内容でしたが、どうしても避けては通れない印刷の話でした。色ころびしにくい色の選定、間違いのない適切な色指定。そういったことは診察券を注文される方が考える必要はまったくありません。理論的な技術と判断力は印刷を熟知しているデザイナーが持っていますので、細かいことは自分で考えて悩まずに、ニュアンスだけ伝えてプロに任せましょう。

ブログライター

WRITER

ながしま 明

いつくかのデザイン事務所勤務を経て、2006年有限会社デザインウルフを設立。多くの企業の商品やサービスについてブランディング、販促活動をデザインにてサポート。ロゴ、WEB、印刷、映像、コピーと職種を超えるマルチクリエイター。