「ホームページ」と「診察時間」は間違い

私たちの暮らす世界では些細な「誤り」に満ちています。今回は診察券を制作する際に、よくある言葉の間違いをご紹介します。それは以下の2つです。

• ホームページ
• 診察時間

この2つの言葉についての認識の誤りは結構根深く、医療を生業としている医者でもあまり気にせず日常的に誤った使い方をしているので注意しましょう。

ホームページ

会社や病院のオフィシャルWEBサイトのことを「ホームページ」と表現して誘導することがあります。「詳しくはホームページにて」といった具合に、テレビ番組や広告で毎日のように見かけるこの表現は、実は誤りです。「ホームページ」はWEBサイトのトップページ（最初に表示されるメインページ）のことを指す言葉です。トップページ以外の内容ページは「ホームページ」ではありません。

例えば、閲覧者に知ってほしい情報がすべてトップページに掲載されていて、トップページだけで完結しているWEBサイトなら「詳しくはホームページにて」で問題ありませんが、そうではない場合の方が多いですよね。「ホームページ」という言葉を使った場合、「詳しくはトップページにて」と言っているのと同じ意味になるので、それはどう考えてもおかしいのです。

日本でWEBサイトのことが「ホームページ」という言葉で定着してしまったのは、テレビ、新聞、ラジオ、広告といったマスメディアの責任が大きく、世界的に見ても言葉として考えても間違った言葉であることを知っていながらいまだに使い続けています。これは恥ずべき習慣です。病院のオフィシャルWEBサイトを表現するなら、「WEB」または「WEBサイト」という言葉を使いましょう。

診察時間

病院の受付時間を表や文字で記載する際に「診察時間」と表記している診察券をよく見かけます。この誤りも結構広く蔓延していて一刻も早く訂正することをお薦めします。なぜ、間違いなのかと言うと「診察」は医療機関が提供する医療行為の一部に過ぎないからです。

病院では、診察、検査、診断、治療（手術や処方）を行っています。それらをまとめる言葉は「診察」ではなく「診療」が適切です。病院が医療行為を行っている時間を表現するなら「診療時間」という表記を使いましょう。また、患者さんを受け入れる受付時間が診療時間と異なる場合は、患者さんの立場に立ってできるだけ「受付時間」を表記しましょう。

参考ブログ「診察券作成のヒント：診察券の受付時間表記」

些細な間違いは すぐ訂正

「ホームページ」と「診察時間」という言葉の間違いは、診察券に限らずWEBサイトやパンフレットで多く使われています。ひと昔前には誰も指摘することのなかった言葉なので、10年以上前に制作してそのまま使い続けている診察券やWEBサイトがあれば一度見直した方がいいかもしれません。みんな使ってる言葉だから例え間違いでも気にしない、そういう病院は信頼を失うだけです。些細な間違いはすぐに訂正してスッキリしましょう！

診察券注文前の準備