近年では日本でもいわゆる「キャッシュレス決済」が一般的になり、クレジットカードや電子マネーで支払いをする割合が高くなってきました。多くのスーパーや飲食店で電子マネーが使えるようになり、カードやスマートフォンで一瞬にして精算ができるため、日々の暮らしが便利になったのは言うまでもありません。ネットショップでもクレジットカードが使えないお店を探す方が難しい昨今ですが、現在デザイナーズ診察券ではキャッシュレス決済を採用していません。お支払い方法は、サービス開始当初から「銀行振込」と「商品代引」のみ。毎年キャッシュレス決済を検討しながら採用しないのには、明確な理由があります。時折、「クレジットカードは使えませんか?」というご質問もいただくので、キャッシュレス決済を導入しない理由についてご説明したいと思います。
キャッシュレス決済とは
一般的には現金以外で支払う方法が「キャッシュレス決済」と呼ばれています。銀行振込をオンライン(インターネットバンキング)で手続きする場合も、現金を使わないのでキャッシュレスと呼ぶこともできますが、国内での認識では銀行振込はキャッシュレス決済に含まれていません。
- クレジットカード
- デビットカード
- プリペイドカード
- 電子マネー
- QRコード・バーコード
決済手数料は誰が負担する?
決済方法がいくつか用意されているネットショップでは、注文の際に自分にあった決済方法を選ぶことができます。しかし、現金以外でやり取りする場合は必ず決済会社を通してお金をやり取りすることになり、商品の代金以外にやり取りにかかる手数料を支払わなければなりません。この「決済手数料」をいったい誰が支払うのか?商品代引の場合は購入者、それ以外の決済では店舗が決済手数料を負担するのが日本での慣習となっています。購入者が払ったり、店舗が払ったりで一貫性がありません。不思議ですよね。何だかビジネス事情の黒い影を感じてしまう慣習です。
例えば、キャッシュレス決済が日本よりも一般的な中国では、飲食店で電子マネーで決済する際に決済手数料が上乗せされた料金で精算することもあるようです。つまり利用者負担ということですね。日本ではそのようなことは100%ありません。キャッシュレス決済では商品やサービスを販売する店舗が決済手数料を全額負担しています。
高すぎる決済手数料
日本ではキャッシュレス決済にかかる決済手数料が、他国に比べると割高に設定されています。1取引につき000円、という設定ではなく%(パーセンテージ)で設定されるため、取引額が高くなると比例して決済手数料も高くなります。決済手数料は決済代行会社により異なり、3〜5%が現在一般的な設定です。
デザイナーズ診察券の料金に置き換えてみましょう。決済手数料を比較的低めな3.5%を想定して算出します。例えば近年人気のペットカードをキャッシュレス決済した場合、初回注文で100枚の料金は28,600円なので決済手数料は1,001円です。3,000枚の料金は209,000円なので決済手数料は7,315円です。どうでしょう?料金をやり取りするだけなのに7,315円も手数料がかかるのです。
デザイナーズ診察券では銀行口座にPayPay銀行を利用していますが、PayPay銀行から他銀行へ送金する手数料が160円です。キャッシュレス決済で店舗が手数料を負担した場合が7,315円、銀行振込でお客さまが手数料を負担した場合ではたったの160円です。
決済手数料を踏まえた料金の設定
キャッシュレス決済を導入するために、店舗は手数料を見込んだ料金に設定する必要があります。商品自体は209,000円でも、手数料7,315円を見込んだ21,6315円に料金を設定することになります。
いやいや、それでは購入者が負担していることになるのでは?確かにその通りです。しかし、店舗側は利益を確保するために、決済手数料を商品自体の価値とは別に考えるしかないのです。そこで弊害となるのはキャッシュレス決済の手数料は店舗負担、商品代引なら購入者負担という日本の慣習です。あらかじめ手数料を踏まえた料金設定にした場合、銀行振込や商品代引のお客さままで手数料を上乗せされた料金で購入することになります。
キャッシュレス決済でサービス品質が低下する
手数料を上乗せして料金を設定するなら店舗側に負担はありませんが、実際には価格競争や適正な料金を考えないで料金を決める店舗はありません。そこで、多くの店舗が行っているのは「料金を上げないで利益を削る」という決断です。おそらく国内のほとんどの小売店で持っている考え方ではないでしょうか。しかし、単に利益を削るのではビジネスが成り立ちません。経営者はキャッシュレス決済による利益の圧迫に対抗するために、様々な工程でのコストカットを実践するでしょう。原材料のコストカット、人件費の削減、オペレーションの短縮化。そういったことが商品やサービスを成熟させるなら問題ありませんが、多くの場合「品質が低下」してしまいます。
サービスの継続的な提供を重視したい
診察券は継続的にクリニックの経営を支えるアイテムです。デザイナーズ診察券がキャッシュレス決済のために利益を削って品質を低下させたり、デザイナーズ診察券自身がギリギリの運営をしていたら、ご注文いただいているクリニックの皆さんに継続的に診察券を提供することができなくなります。時代の流れとはある意味逆行しているかもしれませんが、デザイナーズ診察券では決済のトレンドを取り入れることよりも、サービスの品質を維持しながら継続的に診察券を提供することを重要視しています。
キャッシュレス決済を導入しない理由
現時点でデザイナーズ診察券がキャッシュレス決済を採用しない理由をまとめると、以下の4つになります。
- 高すぎる決済手数料
- 料金がいたずらに高くなる
- サービス品質が低下する
- サービスの継続的な提供を重視したい
クリニックの皆さんのためになることや診察券の品質を高めるために必要な出費ならまだしも、決済するだけで弊社やお客さまが数千円も決済会社に支払うのはバカらしい、というのが本音です。キャッシュレス決済はとても便利な決済方法ですが、様々な条件を考えるとハードルが高いのが実情です。手数料が画一的なパーセンテージで決められていることもありますが、インボイス制度と電子帳簿保存法による経理上のデメリットもあります。銀行振込では以前のように窓口やATMを利用しなくても、PCやスマホで簡単に手続きできることや、商品代引なら手数料が高額になることもないため、デザイナーズ診察券では今後も「銀行振込」と「商品代引」のお支払い方法を継続するつもりです。
ビジネスや生活の様々なシーンでデジタル化が進み、いままで費やしていた労力と時間が不要になってきました。また、これまでないがしろにされてきた労働環境についての見直しが求められ、無駄を省いて環境を改善する「効率化」が求められる時代です。ワークフローを効率化するためにはデジタルワークを上手に取り入れるだけでなく、アナログの領域でも必要なものと不要なものの選別が鍵となります。クリニックの診察券も、その存在意義を見直す時期にあると思います。
かつて診察券は「必要」だった
診察券はクリニックにとって必要不可欠なものでした。クリニックにとっては診察券がないと受付がスムーズに進まなく、患者さんにとっては診察券がないと診療してもらえない、それが診察券です。診察券は単なるカードですが、以下2つの内容が記載してあります。
- クリニックの情報が記載されている
- 利用者の情報が記載されている
クリニックの受付時間や電話番号、利用者のナンバーや氏名。それらが小さなカードに集約されています。その情報により、診察券が果たす役割はこのようなものです。
- クリニックが受付をスムーズに行える
- 利用者がクリニックの情報を知ることができる
この役割により診察券はいままで存在してきました。クリニックが患者さんに割り振ったナンバーは、電話での相談や予約に役に立ち、利用者にとってはクリニックの情報が記載された診察券は小さな「ガイド」として機能します。多くの医療機関で診察券が必要不可欠と考える理由は「クリニックに記載された文字情報」だったのです。そして現在では、情報のやり取りをWEBやアプリが担えるようになってきたため「診察券は必要なし」と考えるクリニックが増えているのです。
WEBとアプリで情報をやり取りする
現在では、クリニックのWEBをきちんと制作しておけば、患者さんが知りたい受付時間や電話番号などの情報はインターネットですぐに調べることができます。予約サイトで予約を完結できれば、受付のフローも効率よく行うことができます。小さなクリニックではLINEを活用した予約フローを行っているケースもあると思います。もちろん、デジタル化には「リアルタイム」であることと「業務を重複させない」というポイントがあり、気をつけないとデジタル化したことで逆に業務が増えてしまうことになりかねません。
WEBやアプリの情報はつねに最新に保ち、予約についても電話、対面、オンラインに対応するのが難しければ手段を絞る選択が必要となります。業務が無駄に増えることのないよう上手にデジタルを活用すれば、業務は確実に効率化するだけでなく患者さんのユーザビリティも向上します。
アナログの診察券にしかないもの
WEBやアプリで受付を効率化できれば、診察券を使わなくても問題ないケースがあります。実際に診察券不要としているクリニックもあります。しかし、アナログの診察券ならではのメリットがあることを忘れてはいけません。アナログの診察券では、デジタルでの情報とは異なる「情緒的情報」を発信することができます。情緒的情報とは「かわいい」とか「現代的」とか、そういうった雰囲気やイメージのことです。それらを実現しているのは言うまでもなく「デザイン」ですが、細かく言うと診察券の質感や手触りといった部分も「情緒的情報」に含まれます。
女性的、人間的、子供が喜ぶ、最新っぽい、スマート。クリニックの利用者が持つそういった印象は、どこから来るのでしょうか。そういった漠然としたイメージは、電話番号や予約時間といった文字情報から得ることはできません。医師やスタッフの診断や対応が「医療品質」として評価されるのはもちろんのことですが、人が持つ印象はスペックではなくあくまで印象です。すぐに破損しそうな診察券より、しっかりとした耐久性のある診察券を使っているクリニックの方が「信頼できる」と思ったり、他にはない特徴のあるデザインの診察券を使っているクリニックだと「他にはない良さがあるかもしれない」と思ったり、それが「情緒的情報」の効果です。
デザインがつくりだす「情緒的情報」は、他のクリニックとの差別化にも一役買います。医療自体に自信があるから「情緒的情報」は必要ない。病気を治すことが医療であって、印象や雰囲気は無視していい。そう言い切れるクリニックは、ほとんど存在しないのが現実です。
なくても済むものの価値
印象がつくりだす効果は様々なビジネスシーンで実証されています。特に趣向性の高い商品の場合は、印象で購買が決まると言っても過言ではありません。そこには本来必要ないと思われる部分に、大きな労力とコストが注ぎ込まれています。
例えば、お菓子のパッケージがそうですね。百貨店やケーキ店で缶入りのクッキーが売っていますが、中身のクッキーが売りものであって入れ物の「缶」は不要といえば不要です。パッケージをもう少し簡素なものにして料金を安くしてくれたら…。そう思う人もいるかもしれませんが、もしパッケージを簡素にしたらその商品は今より売れなくなることでしょう。多くのメーカーがパッケージや商品自体のデザインにこだわっているのは、それにより売上が左右するのを知っているからです。かわいいデザインのパッケージやチョコレートのデザインは「なくてもいい」と思いがちですが、実はそこに大きな価値があるのです。
人を惹きつける医療機関になる
歯科でも内科でも動物病院でも、継続的に医療を提供していくためには医師の力だけでなく「経営力」が必要になります。スタッフの給料を払い、毎月の経費を滞りなく支払うために、クリニックの経営が健全であること。また、災害や人事といった予期せぬ出費に備えるためにも、経済的な余裕も必要です。もちろん、患者さんに不必要な医療を押し付けるような診療を行ってはいけませんが、クリニックに患者さんが安心して通えるような環境づくりや、好感を持ってもらえるような配慮の積み重ねの1つ1つが、クリニックの経営を支えています。他のクリニックとの差別化のために診察券やWEBを上手に活用することも大切です。人を惹きつける医療機関になることは、同種のクリニックが多数存在する現代において、経営を持続させるための必須条件です。
必要だった診察券から
あった方がいい診察券へ
現在では、文字情報の伝達はデジタルツールで置き換えた方が合理的です。WEBやアプリで受付を効率化できれば、診察券を使わずにクリニックを運営することも可能です。診察券を使わないクリニックが主流になる日も近いかもしれません。しかし、AIの進化やデジタルツールの発達によって様々なものが機械的になっていく現代だからこそ、人のぬくもりを感じる受付や人間性が感じられる診療、「情緒的情報」を含むアナログの診察券が果たす役割は大きいのではないでしょうか?
診察券がどうしても必要だった時代は過ぎ去り、これからはクリニックをポジティブにするために「診察券はあった方がいい」ツールに変わりつつあるのだと考えています。診察券を使った場合の受付でのコミュニケーション、診察券のデザインが発信する情緒的情報。そこには計り知れない価値が存在しています。
この度、デザイナーズ診察券は「見やすくわかりやすいWEBサイト」を目指してWEBのデザインをマイナーチェンジしました。はじめてご注文いただく方や継続してご利用いただく方にも、快適にご注文できるよう配慮させていただきました。
また、材料をはじめとした様々な制作コストの上昇に伴い、本日2023年6月1日をもって料金を改定させていただきました。料金の改定は、2019年の改定から約3年半ぶりの改定となります。リピート注文(変更なし)の10%OFF、オーダーデザインやアレンジで追加料金が不要といったシステムに変更はありません。料金改定後の新しい料金については、各印刷タイプのページにてご確認ください。
●プラスチックカードの料金
●ペットカードの料金
●ペーパーカードの料金
●予約シールの料金
なお、VIPカードについてはご提供を終了することとなりました。これまで注文したお客さまで再注文したい場合は、お問い合わせフォームまたはEメールにてご連絡ください。都度お見積りの上、ご対応させていただきます。
クリニックを新規開業する場合でも既に運営している場合でも、診察券を注文するときにはいくつかの準備が必要です。あらかじめ準備しておけばデサインを選んだり、注文を確定したりと、様々な部分での決断がスムーズに進められます。診察券注文前の準備は、クリニックの特徴や診察券に必要な情報について整理しておくことです。
クリニックのことを整理
当たり前のことですが、クリニックは同じようにみえて個々に特徴を持っています。利用者は女性が多い、高齢者が多い、子供が多い、駅前のモダンなクリニック、ほのぼのとしたアットホームな町医者、といったことが各クリニックの持ち味となります。開業前でも運営中でも、クリニックが目指す理想像や置かれた状況を認識し、患者さんにとってどんなクリニックなのかを再確認しておきましょう。また、クリニックのロゴデータを手元に準備しておくことも大切です。ロゴデータは印刷に適したベクトルデータ(イラストレーター形式)が必要となります。WEB、看板、診察券でカラーリングを統一することもポイントです。クリニックのテーマカラーが何色なのかを確認しておきましょう。
- クリニックについて考える
- ロゴデータを確認
- テーマカラーを確認
診察券に必要な条件を整理
デザインを選ぶ前に診察券に必要な条件を整理しておきましょう。予約サイトへリンクするQRコードは必要なのか?裏面は予約シールを使った方がいいのか?そういったことを注文前に考えておく必要があります。裏面に予約シールを使う場合は、表面に電話番号、住所、受付時間、休診日といったクリニックに関するすべての情報を記載する必要があります。予約シールを使う場合は、表面のデザインはシンプルで余裕のあるデザインを選ぶといいでしょう。また、クリニックのイメージを考慮しつつ、どの印刷タイプにするのかを決めておきましょう。
- QRコードを検討
- 予約シールの使用
- 印刷タイプを決める
準備万端で診察券を注文!
そんなに手間のかかることではありませんが、最低限の準備をしておくことで診察券の注文はスムーズに進めることができます。迷ったりわからなくなったりしたら、お問い合わせフォームより遠慮なくご相談ください。経験豊富なデザイナーがあなたのモヤモヤを解消します。診察券注文前の準備については下記ページもぜひご参照ください。
診察券を作成するときには、せっかくなので診察券の役割について再確認しておきましょう。一般的な診察券の役割は主に2つあります。
- 受付時に診察券の番号で診療内容を紐付ける
- クリニックの情報を利用者に渡す
診察券は来院の際に利用者が受付のスタッフに渡すカードです。診察券に記入された個人番号から個人情報や過去の診療内容と紐付けることで、受付、診察、治療をスムーズに行うことができます。改めて言うまでもなくこの機能は診察券の大きな役割となっています。そしてもう1つは「クリニックの情報を利用者に渡す」こと。ここでポイントとなるのは、診察券に含まれる「情報」は電話番号や住所、受付時間といった情報だけではないことです。診察券にはクリニックの事務的な情報だけでなく「クリニックの印象」という情報も含まれていることを忘れてはいけません。
明るい、清潔感、高級感、モダンな雰囲気、優しいといった印象は、カラーリングや文字の配置を含む「デザイン」が見る人に伝達しています。受付時間などの事務的な情報だけでなく、診察券には感情や情緒に影響する情報が含まれています。そして「印象」という情報が上手に機能することで、診察券は単なる事務的なカードではなく「優れた営業マン」としてクリニックにとってとてもいい仕事をしてくれるのです。
リピート率に貢献する診察券
例えば、他のものとは違う魅力的でオシャレなデザインの診察券があったとします。患者さんがクリニックに訪れた後、その診察券は患者さんの自宅にある机の引き出しやカード入れに入れられることでしょう。しばらくして患者さんが他のクリニックに行こうとしてその引き出しを開けたとき、たくさんある診察券の中で「魅力的でオシャレなデザインの診察券」は一瞬で目に留まることでしょう。きっと、患者さんはこう思います。「そう言えばしばらく歯の掃除をしてもらってないな…。来週にでもクリニックを予約しようかな。」
診察券は患者さんのリピートを促す営業マンとして機能するのです。もちろん、素敵な診察券を作成したからといって100%の確率で患者さんがリピートしてくれるわけではありませんが、診察券が10%でもリピート率に貢献してくれるなら、これはもう「優れた営業マン」と言ってもいいのではないでしょうか?
「何でもいいから目立てばいい」ということではなく、診察券はクリニックの性格を反映した「ポジティブな目立ち方」をしていることが大切です。デザイナーズ診察券ではクリニックをポジティブな印象にする診察券をたくさんご用意しています。ぜひ、ご利用ください!
近年、デジタル化(電子化)によって様々な環境が変わってきています。請求書、納品書、お知らせといった、いままで郵送で対応していた書類がデジタル化し、様々な分野でペーパーレスの時代がはじまっています。いままで紙の書類に整理していた情報が、デジタル化されることでスペースを取らず合理的に管理できるようになるのは言うまでもありません。しかし、場合によってはデジタル化は「便利」よりも「不便」をもたらす悲劇もあります。デジタル化によって業務が効率化し、サービスの品質が向上するためには「条件」があるからです。
デジタル・アナログ併用の問題
あらゆるものはデジタル化によって効率が高まるか?というと例外もあります。不用意にデジタル化を導入したときに、ありがちな失敗が「デジタルとアナログの併用」です。例えば、受付を効率的にするため、WEBやアプリで受付のフローを完結したとします。しかし、患者さんが来院した記録をノートにとっていたらどうでしょう?受付はデジタル、記録はアナログでは、デジタルとアナログ両方の業務が必要になり、効率的になったというより業務が増えたと言わざるを得ません。書類をパソコンでつくり、それをプリントしてFAXでやり取りした場合も同じです。パソコンを使って情報をデジタル化したとしても、プリントした時点でそれは「アナログ」です。FAXで送信した場合も受信側は紙で受け取るので、これも「アナログ」です。FAXで受け取った方は受信した紙をスキャンして電子化するか、情報を自身のフォーマットに合わせて打ち直すか、いずれにせよ業務が増えてしまいます。
こういったロスが、小規模な法人だけでなく大手銀行や公的機関といった大きな予算を持ったところでも起こっているのが現状です。デジタル化をすることは間違いなく効率的になると誤解してしまいますが、システムが上手に噛み合っていないと現場の仕事をいたずらに増やし、スタッフが疲弊する大きな原因となります。デジタルにはデジタルの利点があり、アナログにはアナログの利点があります。ただし、それを不用意に併用してしまうと、予想外のダメージを招くことになります。
意外と時間がかかるデジタル
デジタル化して業務がスピーディーになった、という事例はたくさんあります。なぜ、業務がスピーディーになるのか?それは作業効率や情報共有効率が高まるからです。100ページ以上ある書類をFAXで送ったり、コピー機で複写して郵送したりするよりも、デジタル化された書類をEメールで送った方が効率的なのは目に見えています。しかし、気をつけなければいけないのは「デジタルの方がアナログよりも効率的で速い」と思ってしまうことです。もちろん、間違いではありませんが、それが「すべて」ではないことを認識しておきましょう。診察中に体の状態を説明するときに、紙にペンでササッと絵を描いて渡すという場面もあると思いますが、同じスピード感でそれをデジタルでしようとすると、かなり高いスキルが必要になります。どう考えても「デジタルよりもアナログの方が効率的で速い」というシーンがあることを忘れてはいけません。
費用対効果の問題
診察券でも、データ整理・共有のシステムでも、デジタル化で課題となるのが「費用対効果」です。導入するための初期費用とランニングコストが、導入後のメリットと釣り合うかどうか?ということですが、ここで考えなければならないのは、デジタル化することでスタッフの業務と利用者へのサービス品質にどのような影響があるのか?ということです。経営者の場合は、その見込みをある程度明確な数字に置き換えて判断しなければなりません。将来への見込みというのは不確定要素なため、100万円投資して100万円のメリットがある、いわゆる「トントン」ではいけません。環境を変えるときにはスタッフの業務など数字に現れにくい負担が必ずあるので、投資額よりも大きなメリットを期待できることが大切です。
増えること 減ること
デジタル化を導入する前に、そによって増えることと減ることをしっかり考える必要があります。いままで時間をかけて作業していた業務がデジタル化によって短縮されれば「業務負担が減る」ということに、利用者にとって便利になれば「継続的な利用者が増える」ということになると思います。例えば診察券を廃止して、スマホのアプリに置き換えた場合はどうでしょう?診察券を持ち歩かなくていいので「減った」とも言えますが、利用者のスマホに管理しなければならないアプリが「増えた」とも言えます。利用者に対してアプリについて説明するスタッフの業務も「増える」ことになるでしょう。デジタル化を進める際には、メリットとデメリットを冷静に分析して判断しなければなりません。
予約制のクリニックでは、利用者が忘れないよう診察券の裏面に予約日時を書き込みます。毎週あるいは週2回といった間隔で通院する場合、予約日時を書き込む記入欄はすぐに埋まってしまいます。診察券を都度交換していたらコストがかかる。そこでよく使われるのが「貼り替えのできる予約シール」です。
以前は販売しなかった予約シール
デザイナーズ診察券で予約シールの販売を開始したのが2018年、いまから3年前です。それまでデザイナーズ診察券では予約シールを取り扱っていませんでした。なぜ、予約シールをラインナップしなかったかというと、裏面に貼り替えて使う予約シールというものが、デザイナーズ診察券のコンセプトと合わなかったからです。診察券に部分的に貼られたシールは、率直に言ってあまり見た目がいいとは言えません。「クリニックにポジティブな印象を」というのがデザイナーズ診察券のコンセプトなので、どうしても予約シールという存在を肯定できませんでした。
しかし、ご注文いただいているお客さまの中には「予約シールを注文したい」というご希望もいただいていましたので予約シールの仕様を何度も検討し、部分的に貼るのではなく「裏面全面に貼るシール」なら美観を損ねないという結論に達しました。デザイナーズ診察券では2018年から記入しやすさを考慮しつつ16回分の記入欄をデザインした既製品の「ベーシックタイプ」と、クリニックがオリジナルで制作できる「オリジナルタイプ」の販売を開始しました。
予約シールを使ってもスマートに
部分的に貼る予約シールは、変更部分に簡易的に貼る訂正シールと同じく、あまりスマートではありません。ミスがあった時の苦しい言い訳のように、どこか安っぽく感じてしまいます。しかし、はじめから裏面全体を予約確認のためのスペースとして設定してあるなら、そんなにチープな印象は受けないでしょう。裏面全面に貼るシンプルな予約シールは、機能的でありながらクリニックの信頼性を損ねない賢い選択です。
裏面に貼る予約シールには、番号、名前、予約日時といった手書きで記入するスペースが設けられています。既製品のベーシックタイプを使う場合はシール部分にクリニックの情報が記載されていないため、反対面の表面にはクリニックに関するすべての情報が記載されている必要があります。表面にはクリニックの情報、裏面には患者さんの情報。そのようにシンプルに整理することで、とってもスマートな診察券になりますね。
予約シールを使う場合は診察券の裏面を無地に
裏面に予約シールを使う場合には、診察券の裏面を無地(何も印刷しない)にすることをお薦めしています。予約シールは貼ってはがせる「再剥離」のシールですが、下地が透けるほど薄い紙製のシールになります。ベースとなる診察券に印刷されているものや既に記入した書き込みがあると、新しく予約シールを貼ったとしても下地が透けてしまい、新しい書き込みに干渉して見づらくなってしまうのです。(参照:予約シールの透け具合について)次の予約日を診察券に記入することは患者さんに配慮した行為ですが、それが読み取りにくい状態だったら台無しですよね。だから、予約シールを使う場合には診察券の裏面を無地で制作しましょう。
予約シールを使う場合の表面デザインは?
予約シールを使う場合には、電話番号や受付時間などクリニックの情報が表面にすべて記載されている必要があります。デザインを選ぶ際には、クリニックの情報がすべて記載されることを前提にデザインを選びましょう。カードサイズの診察券に文字情報がぎっしり詰まっていると「見にくく読みにくい」診察券になってしまうため、記載する情報は最低限に収めるようにしましょう。例えば、郵便番号やWEBのURL、保険証についての補足などは絶対に記載しないといけない文章ではないため、割愛してもいいかもしれません。
では、どんなデザインが最適なのか?デザイナーズ診察券では、予約シールの使用を前提にしたデザインがたくさんご用意しています。
予約シールを使う場合、予約シールを使わない場合、どちらにしても診察券はクリニックのオペレーションのためだけでなく、利用者のためのものでもあります。利用者にとって見やすく使いやすい診察券にすることが何より大切です。小さなアイテム「診察券」に利用者のユーザビリティーや気持ちに配慮することは、クリニックの信頼とポジティブな印象に必ずつながると考えています。
ほとんどのクリニックの診察券やWEBにはクリニックの受付時間を明記してあり、何曜日の何時にクリニックへ行けばいいのかわかるようになっています。診察券やWEBにクリニックの受付時間を表記するのはマナーであり、クリニックの利用者への配慮として絶対条件です。デザイナーズ診察券の診察券も、文字や表を使って受付時間がわかるよう診察券を制作していますが、そこで考える必要があるのは時刻の表し方です。取り立てて難しく考える必要はないのですが、表記に間違いがあってはいけないことと、利用者にとって「わかりやすいかどうか?」を踏まえて考えることが大切です。
これから開業してクリニックをスタートする、または診察券を刷新する際に、クリニックの受付時間を表記について以下のことを決めておきましょう。
- 「受付時間」と「診療時間」どちらにするのか?
- 「24時間表記」と「12時間表記」どちらにするのか?
「受付時間」と「診療時間」の表記の違いって何?
「受付時間」と「診療時間」って同じじゃないの?という疑問もあると思いますが、厳密には同じではありませんよね。「受付時間」はクリニックが受付してくれる時間、「診療時間」はクリニックが診療してくれる時間です。診療時間が12:00までとなっているクリニックに患者さんが11:50に訪れた場合、既に午前中の受付が終了していて診療してもらえないことがあります。これはクリニックが受付を終了30分前に設定しているからです。
診察券やWEBで表記する時間は、受付時間でも診療時間でも問題ありませんですが、2つの表記ではクリニックと患者さんのどちらの立場に立ったものなのかが異なります。
- 「受付時間」は患者さん側の立場
- 「診療時間」はクリニック側の立場
受付時間という表記なら、患者さんは「その時間に行けば大丈夫」と認識することができるので、受付時間と診療時間の違いによるトラブルはありません。診療時間という表記を使う場合はトラブルを避けるためにも、以下のように「受付がいつ終了するのかがわかる情報」を追加した方がいいでしょう。
受付時間も診療時間も言葉として表記しないで時間だけ表記した場合、患者さんの多くは「受付時間」として認識します。それは患者さんが医師や看護師のようにクリニックの立場ではなく、あくまで患者さん側の立場で表記された時間を認識するからです。クリニック側から見た「診療時間」よりも、患者さんの側から認識しやすい「受付時間」を表記した方が利用者に配慮しているので、特別な理由がない限り診察券やWEBには「受付時間」を表記することをお薦めしています。
「24時間表記」と「12時間表記」わかりやすいのはどっち?
多くのクリニックでは、昼の休憩を挟んだ「午前」と「午後」に診察や治療を行っていると思います。そこで気になるのは時間の表し方を「24時間」と「12時間」のどちらにしたらいいか、ということ。それぞれの一般的な例は以下の通りです。
クリニックの受付時間が上記のようなら、このような表記で問題ありません。午前の欄に12:00があり、昼の12時は正確には午前でも午後でもない「正午」となりますが、深夜の12時と誤解してしまうようなことはクリニックの時間表において考えにくいため、あまり神経質になる必要はありません。ただし、午前の受付時間が12:30までに設定した場合や、土曜だけ13:00まで受付する場合は、その欄について「午前」とは言えないため、12時間表記では時間の表し方が誤りとなってしまいます。受付時間が午前からはじまって午後に渡る場合は、12時間表記ではなく24時間表記で表記することをお薦めします。
12時間表記は少々注意が必要ですが、24時間表記の場合は誤解やトラブルのリスクがほとんどありません。時間を表ではなくシンプルな文字情報で表記した場合でも、12時間表記よりも24時間表記の方がシンプルなため理解の速度が早く、伝わりやすい表記と言えます。
多くのクリニックでは24時間表記を採用し、裏面の予約表など手書きで記載する場合にも誤解が生まれにくい24時間表記で記入する場合がほとんどです。高齢者が多く利用する電車やバスといった公共交通機関の時刻表も24時間表記です。口頭では「夕方の7時」といった形で12時間表記を使うことがあると思いますが、文字情報ではより正確な24時間表記を採用することが現代では大多数となっています。デザイナーズ診察券でも基本的に24時間表記をお薦めしています。
患者さんの「わかりやすさ」が大切
診察券やWEBの情報は、クリニックと患者さんをつなぐ大切な情報です。その情報はクリニックの事情や主張よりも、できるだけ患者さんの立場に立って考えて整理しましょう。特に受付時間といった情報をわかりにくい表記にしてしまうと、患者さんとの些細なトラブルの原因にもなりかねません。診察券やWEBはクリニックが経費を使って用意するものですが、あくまで患者さんのためのものであることを忘れずに制作しましょう。デザイナーズ診察券では、できるだけクリニックの利用者がわかりやすいよう、情報を整理しつつ診察券のレイアウトを行っています。受付時間が曜日によって変則的な場合でも、経験豊富なデザイナーがなるべくシンプルになるよう、診察券をアレンジしますので安心してご注文ください。
新型コロナの感染がはじまってから1年以上経ち、私たちはその中で様々な工夫と努力を重ねてきました。観光業、飲食業をはじめたくさんの業種に大きな影響があり、業務を大きく変更した会社、閉店した店舗、合併した企業など、多くの事業所に柔軟な考え方が求められました。会社にしても、店舗にしても、組織を支えているのは組織を構成する個人です。新型コロナ下で多くの個人が仕事の環境の変化に対応しなければなりませんでした。日々の仕事ばかりでなく、経済的事情、家庭的事情も変わり、ライフスタイルを大きく変えた人もいたでしょう。「自分の人生をよりよくしよう」というポジティブな思いで生活を変えるならまだしも、「仕方がないので我慢しよう」という変化には大きなストレスがつきものです。私たちは感染症と対峙すると共に、自身のストレスとも向き合っていかなければなりません。
感染症の収束を考える
政府ではワクチンの接種が新型コロナ感染を収束させる鍵になると考えているようです。国内でもワクチンの接種がはじまり、医療関係の方々もワクチンを接種することと思います。企業のテレワーク、飲食店の時短営業、ワクチンの接種。それらが感染拡大の抑制につながっていることは間違いないでしょう。しかしあらゆる対策も「新型コロナはいつなくなるの?」という素朴な疑問に応えることはできません。現在行われている対策は、感染者が増えないための施策であって、感染症をなくす施策ではないからです。新型コロナが短期的なものなのか、インフルエンザのように長期に渡ってあり続けるものなのか。それを正確に予想するのは難しい状況ですが、様々な対策や人的な努力ではなく「感染症自体」が弱まる以外に「収束」は実現しない気がしています。
with corona
この1年間の状況を振り返ってみても、今後すぐにマスクを外して会話したり、感染を気にしない日々がやってくるとは思えません。数ヶ月経ったら寒さが過ぎ去る、といったものとは種類が違うのですから。真面目な性格の私たち日本人は「しばらく辛抱しなければ」という気持ちになりがちですが、長期間の「我慢」はストレスによるリスクが大きいため、意識的にネガティブな思考を切り替えることが大切です。
今、私たちに必要なのは「息抜き」です。息抜きといっても友人と集まって飲み会をしたり、マスクをしないでジョギングをすることはできませんが、感染の可能性がほとんどない行為なら、心置きなくエンジョイすることができます。そして「息抜き」は、なるべく「小まめ」にすることをお薦めします。週に1回と言わず、1日に何回か小さな「息抜き」を入れることで、感染症による「我慢している」間隔が薄れていくことでしょう。大好きなコーヒーを飲む、5分だけゲームをする、イヤホンでお気に入りの音楽を聴く。息抜きは何でもいいと思います。しなければならないことの「我慢」を中和する息抜きは、できるだけ「くだらないこと」の方がいいかもしれません。
健康にはあまりよくないとされる「チョコレート」も息抜きには最適です。もちろん食べすぎには注意ですが、1粒のチョコレートは感染症対策のストレスを一気に吹き飛ばしてくれます。
毎日の息抜きを忘れずに
最近デザイナーズ診察券をご注文になった方はお気づきかと思いますが、2021年がはじまってからお届けする診察券に「ささやかなプレゼント」同梱しています。感染症に気を遣いながら医療の現場で働く方々のために小さなことでも何かできることはないだろうか?と考えてはじめたことです。甘いものは「ちょっと体に悪いもの」ですが、そういうものほど「息抜き」には最適です。医療の現場で働いている方々には、毎日ちょっとした「息抜き」を取り入れ、ストレスを小まめに開放してもらいたいと心から願っています。
2020年が終わろうとしている今、新型コロナの感染拡大が勢いを増しています。Go To キャンペーンをはじめとする事業や消費者の変化、乾燥した季節に入ったことなどが感染拡大の理由として考えられていますが、新型コロナに限らず直接的な原因については想像するしかなく、往々にして明確に断定できないものです。様々な憶測が飛び交う中でハッキリしていること、それは「新型コロナはしつこく存在する」ということです。ウィルスがどのような仕組みで世界に存在しつづけるのか、そういった知識を残念ながら持っていませんが「数ヶ月といった短期間でどこかへ行ってしまうものではない」ということだけは誰もが実感していることでしょう。私たちは新型コロナに対し、今年の春に考えていたよりも長期間を見据えた考え方を持つ必要があるのかもしれません。
新型コロナの感染はいつ終わるのか?
誰もが関心を持っているこの疑問に応えられる人はおそらく誰もいないでしょう。我々は未来を知ることはできません。日進月歩の医療分野で働くクリニックの皆さんでも、医療には必ず限界があることを身にしみていると思います。今年の春から夏にかけて新型コロナが世界を圧倒した時期、多くの人が「年内は収まらないんじゃないか」と考えたはずです。あるいは「来年なれば新型コロナはなくなっているんじゃないか」と。私自身もそのように考えていました。しかし、実際に2020年の終わりを迎えてみると、想像以上に感染が長引くことを実感せざるを得ません。感染者数5億人以上と言われる1918年のスペイン風邪は、約1年間世界を苦しめました。毎年流行するインフルエンザは、ワクチンの研究が進んでもなくなることはありません。今年の動向を振り返ると、気候の変化だけは収束の期待が持てないのが現実です。
新型コロナとビジネス
旅行、イベント、飲食、医療といった業種は新型コロナの感染によって大きな痛手を受けました。ダイレクトに影響のある業種だけでなく、我々のようなグラフィックデザイナーや企画制作会社を含め、様々な仕事に大きな影響があったと思います。本サービス【デザイナーズ診察券】を運営するデザインウルフは、有り難いことに新型コロナによる痛手は最小限にとどめ、診察券の制作過程に影響を出すことなく業務を続けることができました。ただし5月前後では、お客さまから「予定していた開業を見合わせることになった」というご報告を何件かいただいているため、新型コロナの影響が皆無というわけではありません。入院設備を容する病院ではなく小規模なクリニックにおいても、利用者の減少で経営が圧迫されたというクリニックも多いことでしょう。
大きな会社も小さな会社も、売上が下がったまま体制を維持できる会社はありません。長期間の売上低下が予想される場合、人員をはじめとするコストカットや販路の見直しが必ず必要になります。場合によっては、職種自体に大きな舵を切る施策や、倒産という選択肢も考えなければなりません。しかし、統計の数字を見ると今年の倒産件数は思うほど高くなく、前年を下回る結果が出ています。もちろん業種によって倒産件数は偏りがありますが、全体としてこの状況下で「頑張っている」と言えるでしょう。
売上が激減した業種もあれば、新型コロナの影響によってかつてない売上を更新した業種もあります。例えば、衛生・健康関連の業種。マスクや消毒液、トイレットペーパーに限らず、自宅で健康をケアするための商品はもの凄く売れたことでしょう。スーパーやコンビニに人が殺到し、ゲーム業界は空前のバブル年だったのではないでしょうか。景気が悪くて職を失った人がいる一方で、繁盛している会社は人手不足になっているはずです。減るところがあれば、増えるところあり。新型コロナによって生まれた新たなニーズが、私たちのビジネスを揺れ動かしています。
政策から学ぶこと
遅すぎる緊急事態宣言、約466億円もかけて行われたたった2枚のマスク配布、矛盾だらけの促進キャンペーン…。新型コロナに対する国の政策について、不満はあっても賞賛の声を上げる人の数は多くないでしょう。政策の内容やタイミングについて批判を述べるのは簡単ですが、厳しい局面の中での判断は並々ならぬ難しさがあったことでしょう。しかし「経済活動との両立」が果たして行動促進キャンペーンのようなものでいいのか?は疑問です。そこには、誰もが気づく矛盾がハッキリとあるからです。感染の可能性があるのに積極的に人が移動するのは、雨の日に傘を差さずに外を歩くのと同じです。雨に濡れないためには傘が必要ですが、私たちには新型コロナから身を守るための「傘」がありません。現状あるのはマスクだけ。「行動するなら自己責任で」と言われていますが、無症状者がウィルスを運ぶことが事実なら、無自覚でウィルス媒体になってしまうリスクに対し責任を取れる人がいるでしょうか。また、事態が悪化するたびに「自粛して保障」を繰り返していたら、完全に国の予算が枯渇してしまいます。国の対策に対して私たちが抱くのはこのような感情です。
- 本当にこの方法で乗り切れるのか?
- いつか国の予算が尽きてしまうのでは?
- 国の予算が尽きたら年金などの保障はどうなるの?
- 国の予算が尽きたら税金がもっと上がるのでは?
- この先どうなってしまうのか?
国の対策はあらゆる角度から検証しても、納得ができない判断ばかりでした。とは言え、私たちは少しでも明るい未来に向かわなければなりません。賞賛できない判断も「反面教師」として捉えて、自身の今後に役立てていく気持ちが大切です。
我が国の対応で足りないとされているものは「決断力と行動力」とよく言われていますが、もう少し踏み込んで考えてみると「長期的な捉え方」が圧倒的に足らないように思えます。なぜなら現在のような対処では、かならず限界がやってくるからです。限界…。それだけは何としても避けたいものです。例えば、家族を支える父親が現金収入を得るために働きすぎて疲弊し、仕事のできない健康状態になってしまったら、それこそ不幸です。だからこそ私たちは、仕事でもプライベートでも長期間に渡って持続可能なやり方を実践するべきです。感染者の拡大、行動促進キャンペーンの疑念、医療崩壊への突入は、まさに限界が近いことを示唆しています。
悪化したら対処、という考え方は最も危険な考え方です。期間がハッキリしているものを相手にする場合はそれでもいいでしょう。しかし、未知なるウィルスと共存するために私たちに必要なのは、持続可能なものだけです。予防医学という分野があるように、私たちは会社としても個人としても「そうならないために続けられること」を探った方が賢明でしょう。もし、自分が好き勝手できる首相なら…。というお気楽な妄想で、我が国の対策を考えてみます。
- 自粛規制に対する保障は一切なし
- 平日の1日を全国民完全ステイホーム
- 土曜の午後を全国民完全ステイホーム
- 外出時のマスク着用は義務化
- マスクかマスクに代わるものの開発
- ハローワークの強化
1週間は7日間あります。7日の内1日だけロックダウンできたら、ウィルス拡散防止に効果が期待できるのではないでしょうか。期間は無期限。一定の期間状況が好転したら解除です。アクティブな人にとってステイホームは正直辛いですが、「水曜はこの先ずっとステイホーム」と決まっていたら、先が見えているだけ気が楽になるかもしれません。さらに土曜の午後をロックダウンできたら、長距離の移動が抑えられます。ステイホームもマスク着用も違反者には罰則をつくり、警察が巡回することで子供も大人も取り締まります。肝心なのは規制する代償として現金による保障をするのではなく、国の予算を使って快適に過ごせるようなマスクの開発に力を入れることや、職を失った人員をどうフォローするかです。労働の機会を失った人に、現金でフォローすることほど無意味なことはありません。仕事が少なくなった人に必要なものは「継続的に収入を得られる仕事」であって「一時的な現金」ではありません。受け皿としてたっぷりと人を雇える国営企業がそこら中にあれば言うことなしですが、まずはハローワークに予算を投じて人員を増やし、職のない人を、人の足らない会社へ動かす機能に注力します。
新型コロナに限らず、未来は地震や災害で失業者をたくさん出す可能性に満ちています。近年では発達障害を持つ人の就業も大きな問題です。仕事をしたくてもできない人に「仕事」を用意する、それは莫大な国家予算を投入しても価値のあることだと思います。
以上は完全に机上の空論でしたが、新型コロナの動向と政策の方向性から感じたのは、もっと本質的なものの捉え方をしなければいけない、ということでした。
変えていくもの 変えずにいるもの
新型コロナの感染拡大に限らず、逆風となるものが一時的なものだとわかっていたら、少し我慢することで必ず乗り越えていけるはずです。しかし、いつ終焉がくるのか予測できないものが相手なら、やはり長期を予想して対応していかないと「限界」がやってきてしまいます。先が不透明すぎると、経済破綻よりも先に精神の健康が負けてしまうことがあるかもしれません。
クリニックを経営されている皆さまにとっては、今後クリニックをどう機能させていくかの判断が求められるタイミングかと思います。診療時間はこのままでいいのか、体制を変える必要があるか、スタッフのケアは大丈夫か。新型コロナの感染拡大が予測不能な現状では、短期的な措置よりも1年、2年と継続しても無理のない継続可能な措置の方が明らかに賢明です。なぜなら、スタッフにとっても利用者にとっても、不定期なものよりも継続性のあるものの方が、精神に安定をもたらすからです。事業と職場において変えていくものと変えずにいるものを、そういった観点から判断していくことが大切です。
2020年は本当に新型コロナに翻弄された1年でした。オリンピックをはじめあらゆる計画が不履行となり、日常が崩壊し、様々なものを失った1年だったと思います。国籍や年齢、性別を超えて、良くも悪くも記憶に残る1年になったことでしょう。そんな2020年がもうすぐ幕を閉じようとしていますが、新型コロナへの対応はまだまだ終わることはありません。本質を考えて迅速に判断、そして冷静に行動。それが今、私たちに求められているような気がしています。
診察券を皆さんはどのようにつくっていますか? デザイナーズ診察券に注文する。医療系の通販サービスに注文する。クリニックのプリンターでつくる。診察券の作成方法は色々ありますが、いずれにせよ、WEBサイトのように制作に数ヶ月かかったり、広告のように大きな予算が必要になったりすることなく「簡単」につくっているクリニックがほとんどだと思います。すぐにつくれる、すぐにできる、といったものは現在のスピード社会において大変重宝される傾向にありますが、それとは違った意味でも重要な鍵を握っていると思います。
理想的なクリニックにするためには?
新型コロナの影響もあって、多くのクリニックでは経営やオペレーションをはじめ様々な要素について「見直し」をする機会があったと思います。分刻みの業務に追われてあっという間に1日が終わってしまう忙しい日々、自身のビジネスや職場環境について見直す時間はあまりないと思います。今年はよくも悪くも「見直し」を強いられる期間となりました。患者さんとスタッフの安全を考えると共に、日頃あまり意識しなかったクリニックの問題点や改善点に気づくこともあったでしょう。クリニックを理想的な状態で運営するためには、例えば以下のようなことを考える必要があると思います。
- 新たな利用者を獲得すること
- クリニックの診療品質を上げること
- 繰り返し利用したくなる快適な環境
当然と言えば当然ですが、利用者がいなければクリニックを運営していくことはできません。広告やWEBや口コミで新たな利用者を獲得し、質の高い診察と治療で患者さんと満足させ、何度も通いたくなるような快適な場所でなければ、クリニックを存続させることはできません。こういったベーシックな条件を満たすために、具体的にどういうことをすればいいのか考えることになります。もちろん他のビジネスにも共通した課題があり、経営者はそれぞれの業種に応じて大変な労力を使って課題をクリアしています。思い描く理想的なクリニックを実現させるためには、様々な部分においてきめ細かな配慮が必要になります。新規利用者の獲得という課題についても、年々競争が激化していく現代では「これさえしておけばいい」というものはありません。
大きなモノは小さなモノからできている
高い目標や大きな課題を前にすると、なかなか正面から取り組むことができず、足取りが重くなってしまうものです。いつかやろう。そろそろやらねば。そういう思いばかりが重くのしかかりつつも、課題の解決方法を考える労力と時間を思うと手をつけられずに後回しにしてしまう。実に、よくあるパターンです。よっぽどの「人生の達人」でない限り、ほとんどの人が経験していることではないでしょうか。大きな課題を前にしてすぐに取り掛かることができないのは、「時間がかかる」と思ってしまうからです。
しかし、冷静に考えてみると大きな課題も小さな課題の集合であることに気づきます。大きな1つではなく、小さなものが100集まって1つになっているイメージです。100個ある要件を一気に片付けることは難しいので、どうしても「時間がかかる」と思ってしまう。だから、なかなか手がつけられなくなってしまうのですが、100個あるうちの1つくらいなら割とすぐに片付けられる。そう考えると、ちょっと気が楽になりますよね。
診察券なら簡単につくれる
「繰り返し利用したくなる快適な環境」を実現する。言葉にするとシンプルですが、そうそう簡単に実現することは難しいでしょう。待ち時間を感じさせない予約システム、待っていても苦痛にならない快適な受付スペース、受付スタッフの適切な対応とポジティブな印象、通院すればするほどメリットを感じる何か。どれもこれも、予算を使えばすぐに解決できるといったものではなさそうです。実は診察券も「繰り返し利用したくなる快適な環境」に関係するアイテムですが…、あれ?診察券は割と簡単につくれますね!そうなんです。診察券はどこかに注文すれば簡単につくれるんです。
診察券は通院を促したりクリニックを好印象に導くアイテムですが、理想的なクリニックを実現するための小さな課題の1つでしかありません。たっぷりと時間と労力を使って、診察券よりも中心的な役割を担うものに注力することも大切です。しかし、例え小さな課題でも肝心なことは「取り組んだかどうか」です。時間と労力を思ってなかなか取り組めない案件はひとまず置いておいて、すぐに取り組めるものは積極的に取り組んで解決しておく。そうする内に100個あった課題が、いつも間にか半分くらいになっていたりするものです。
事務的で味気ない診察券から、ポップで明るいデザインの診察券に変えるだけでも、患者さんやスタッフに大きな影響があります。内装やスタッフのスキルを「簡単に」刷新することはできませんが、デザイナーズ診察券の診察券なら「簡単に」手に入ります。
診察券が担う役割、それはクリニックの情報を患者さんがいつも控えておけることや、来院の際の受付をスムーズに行えるようにすることですが、診察券には「クリニックのイメージを訴求する」という大切な役割があります。クリニックの印象を診察券によって患者さんに定着できれば、他のクリニックとの差別化につながるメリットがあります。
差別化って何?
ビジネスでよく使われる「差別化」とは何なのでしょうか?簡単に言うとそれは「競合との違いを明確にし、自身の優位性をアピールすること」です。店舗、通販、流通、あらゆる業種において、自身の事業と比較される「競合事業」は必ず存在します。自分ではそういうつもりはなくても、事業を営むということは同じ業種のところと競合し、同じ顧客を奪い合って成り立つものです。そこで、他社と同じターゲットから自分のところを選んでもらうためには「選ばれる理由」が必要になります。他よりも質がいい、他よりも早い、他よりも料金が安い、といった具体的な理由です。この理由を明確にし、顧客に対して訴求していくことが「差別化」という行為になります。
クリニックに差別化は必要?
あらゆる業種において競合が存在する以上「差別化」は必ず必要です。それはクリニックのような医療施設においても例外ではありません。例えば、徒歩圏で通えるクリニックが3件あった場合、どのクリニックに通うかを決めるのは利用者の自由です。利用者は自分にとってのメリットを意識的に、あるいは無意識に判断し、3つのクリニックの中から1つのクリニックを決めて通うことになります。
差別化を成功させるためには、需要と供給がマッチしていることが重要です。例えば10人のうち6人が同じ需要を持っている場合、3つのクリニックの内1件だけがその需要に応えられるなら、6人を確実に獲得することができます。しかし、10人が個々に持っている需要に応えられない場合、多くを獲得することは期待できません。需要に応えられる場合でも、それを明確に表明できていないなら、それは利用者にとって存在しないのと同じです。差別化を行うことは個性を明確にすることと同時に、それを多くの人に伝えることが必須です。
診察券と差別化
差別化は自身の個性を明確にすることと、それを伝えることで実現します。診察券の役割は「伝えること」を担う1つのアイテムになります。持ち味が「きめ細やかで丁寧」のクリニックがあったします。その持ち味は、クリニックのどの部分でも一貫していることが大切です。
- WEBの情報がきめ細やかで丁寧
- 受付がきめ細やかで丁寧
- 待合室の雰囲気がきめ細やかで丁寧
- 医師の診療がきめ細やかで丁寧
- 持ち帰る診察券がきめ細やかで丁寧
クリニックを探し、訪れ、診療し、「きめ細やかで丁寧」という印象を受け、持ち帰る診察券の雰囲気までもが「きめ細やかで丁寧」なら、患者さんにとってそのクリニックは「きめ細やかで丁寧」という印象で定着します。もし、診察券だけが乱暴なもので「きめ細やかで丁寧」と明らかに違うものだったとしたら、せっかくクリニックで築いた素晴らしいイメージが台無しになってしまいます。「きめ細やかで丁寧」という優位性をしっかりと定着させるには、患者さんの手元にずっと存在しつづける診察券にも、同じような印象がなければなりません。
差別化をきちんと行うためには、様々な場面での整合性が重要です。WEBではクール、看板と診察券はユーモラス、受付は明るくて、診療はそっけない。それではクリニックの印象を1つに定着することはできません。WEB、看板、受付、内装、診療、診察券とすべてのシーンで一貫した印象を発揮すること。それが本来の差別化です。診察券だけ一風変わったものにすれば差別化ができる、というものではありません。
差別化は案外簡単にできる
安い、早い、といったスペック的ものばかりが個性ではありません。もちろん、理解しやすいスペックがあるに越したことはありませんが、競合を意識するあまり自身の持ち味とかけはなれたものを追いかけるのはよくありません。どのクリニックも何かしら不得手をかかえています。しかし、既に持っている長所に着目し、それを意識的に伸ばしていくことで、差別化は一気に進めることもできます。
- 待ち時間が異様に長くて疲れてしまうけれど、診療がとことん親身
- 普通のクリニックだけど、スタッフが明るいので元気になる
- 先生がそっけないけれど的確で信頼できる
上記のような「○○○だけど、○○○」というクリニックなら、差別化を図ることは簡単にできます。例え短所がたくさんあっても、長所のひとつが需要とマッチするなら、その長所を様々ばシーンで感じられるようコントロールし、差別化を図ることができます。
デザイナーズ診察券では、たくさんのデザインをご用意しています。どれを選んだらいいのかわからなくなった場合は、ぜひお気軽にご相談ください。「働く女性が安心して通えるクリニック」「明るくヒューマンなクリニック」といったヒントをいただけらた、デザイナーが最適なデザインを提案させていただきます。クリニックの差別化に特別な料金は不要です。どのデザインを選んでも料金は同じです。ご安心を!
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言が発令され多くの企業や施設が休業を決断し、様々な事業に多大な影響が発生しています。デザイナーズ診察券をご利用いただいている全国のクリニックの皆さまの中には、経営面、そして安全面において心配が尽きない状況のクリニックさまもいらっしゃることでしょう。現在のような非常時には、様々な場面で柔軟で良識ある対応が求められると思います。新型コロナの影響が今後どのくらいの期間におよぶのか、現在では計り知ることはできませんが、現時点での業務に関する進捗をご報告させていただきます。
デザイナーズ診察券の業務は平常通り
現時点(2020/04/14)では、デザイナーズ診察券の各印刷タイプ(プラスチック・ペット・ペーパー・VIP・予約シール)全種類においてのご注文、およびデザイン確認などのオペレーションはすべて平常通りに行っています。診察券の納期についても、新型コロナの影響による遅延はありません。ただし、今後の状況次第では印刷や運送をはじめ業務への影響があることをご理解ください。
今のうちに診察券の在庫確認を
現時点(2020/04/14)では診察券のご注文を平常通り行っていますが、新型コロナによる影響が悪化した場合、診察券の制作にも何らかの影響がでる可能性もあります。現時点では平常通り診察券の制作が可能なため、クリニックにある診察券の在庫を確認し、ご注文いただくことをお薦めします。また、診察券の制作はどうしても日数がかかるため、在庫が極端に少なくなる前に、余裕をもってご注文いただけたらと思います。
デザイナーズ診察券では、豊富なデザインサンプルをご用意しています。2000点以上のデザインからクリニックにピッタリなものを選んで注文できるのが、デザイナーズ診察券の最大の魅力です。しかし、どうしても「サンプルにはないデザインでつくりたい」という方には、オーダーデザインという選択肢をご用意しています。オーダーデザインは通常の料金の他に¥30,000(税別)の追加料金をいただいていましたが、2020年1月23日よりこの追加料金を廃止し、オーダーデザインをより気軽に利用できるよう改定しました。
こだわりをカタチに
例えば、お客さまがイメージする診察券を手描きのスケッチにしてEメールで送り、デザイナーがバランスをとって仕上げる、といったことがオーダーデザインで可能になります。また「ロゴとイメージカラーのオレンジを使って、シンプルなデザインの診察券のデザインにしたい。」といった具体的な条件を伝えて診察券をつくることもできます。お客さまのこだわりに対して経験豊富なデザイナーが応える、それがオーダーデザインです。
デザイン選びをデザイナーに
デザイナーズ診察券へのご注文はクリニックの院長先生からいただくことが多く、多忙な時間を割いて診察券のデザインを選ぶことが難しい場合もあるでしょう。オーダーデザインではそんなお客さまにも対応しています。クリニックのWEBページや外観・内観の写真、ロゴデータなどの資料をデザイナーズ診察券へEメールで送り、クリニックに最適と思われるデザインをピックアップしてもらうことが可能です。クリニックのロゴによっては、あまり装飾的なデザインの診察券だとロゴの印象を邪魔してしまう場合があります。そういった場合には、ロゴの雰囲気を活かしたデザインを制作し提案させていただきます。
2019年10月1日から消費税が8%から10%に増税されます。ネットショップでの消費税の対象は「資産を譲渡した日」となりますので、デザイナーズ診察券では「注文日」ではなく「発送日」が消費税率を確定する目安となります。
例えば、9月中に注文し銀行振込をして料金を支払ったとしても、発送日が10月以降なら消費税は10%となりますので予めご理解ください。初回注文時にはデザイン確定までのプロセスがあり、デザイン確定から診察券のお届けまではプラスチックカードなら約2週間後、ペーパーカードなら約10日後、ペットカードなら約1週間後となります。増税前に診察券をつくっておこうと考えている方は、お早めにご注文ください。
激安、格安、最安値。診察券に限らずインターネット通販が当たり前の現在、あらゆるネットショップでかならず目にする低価格のアピール。競合他社と比べてとにかく少しでも安くなるよう価格設定をしているサービスは数多くあります。確かに同じ製品なら少しでも安く手に入れた方が賢い選択と言えます。消費税の増税を前に様々なサービスで料金設定の見直しが行われ、新しい料金に改定されると思われます。デザイナーズ診察券でも増税に伴うコストの変動により、数年ぶりに料金を改定することになりますが、これまでと同様「最安値を目指さない」ことは、はっきりとお伝えしようと思います。
格安・激安には必ずデメリットがある
もちろんデザイナーズ診察券でも、良質な診察券を低価格でご提供できるよう、サービスのシステムと料金を精査しています。しかしそれは、品質を重視した上での低価格であって、品質よりも低価格を優先することはしていません。一方で格安・激安を追求した診察券の場合「品質が著しく低くなる」というデメリットがあることは否めません。料金が安くてもあまりにも品質が悪いと、本来の役割を果たさないリスクがあります。デザイナーズ診察券は、ただ単にクリニック名が印刷されたカードを提供するのではなく、診察券によってクリニックにポジティブな印象を付加することを目的としたサービスです。「格安・激安」によって品質を極端に落とすことは、その目的と相反しています。診察券なら、何でもいい。そう思うクリニックには「格安・激安」はいい選択かもしれません。しかし実際には、何でもいいというわけにはいかないですよね。
最低ラインを超える品質が必要
目的や役割をきちんと果たすためには、最低限の品質が必要です。わかりやすい例として、運動会の競技「玉入れ」をイメージしてください。
下から玉を投げて上にある籠に玉を入れる競技ですが、いくら沢山玉を投げても、籠よりも高く投げなければ絶対に籠に玉を入れることはできません。籠に玉を入れるためには、籠の位置よりも高く玉を投げなければならないのです。
これと同様に、診察券にも最低限求められる品質というものがあります。料金が格安・激安でも品質が悪ければ、思い描く成果は期待できないというリスクがあり、それはまるで投げても籠に入ることのない玉入れのようです。小さな物事でも「うまくいく」ためには、最低限の条件をクリアする必要があります。「格安・激安」を優先するということは、実は自分から成功率を低くしていることなのです。
診察券の品質はデザインと印刷
診察券の品質とは何なのか?それは内容(デザイン)と印刷仕様です。この2つは共鳴し合う要素で、切り離して考えることはできません。デザインがいくら魅力的でも印刷がチープなら意味がなく、印刷が立派でもデザインがひどければ魅力的な診察券にはなりません。「デザインがよければ印刷は何でもいい」というわけではなく「印刷がよければデザインは何でもいい」というわけでもないのです。当たり前と言えば当たり前のことですが、「格安・激安」の場合どちらかが欠落していると考えていいでしょう。「いいもの」を手に入れるにはお金がかかるからです。
また、多くの人が誤解をしてしまうのが「印刷は同じ」ということです。印刷は、仕様がほどんど同じでも印刷機が違えば品質が変わってきます。デザインの品質も同様に「同じ」ではありません。そして料金を比較する際、手に入る品質と照らし合わせて正確に優劣を判断できる人はほとんどいません。厳密に品質を比較するためには、印刷をよく知るデザイナーレベルの知識が必要になるためです。
デザインを低コストで提供する工夫
良かれと思って制作したのに、品質が低くてネガティブな印象になってしまう。その傾向はデザインに顕著に現れます。診察券のように小さなデザイン制作でも、それなりに実績の豊富なデザイン会社なら、デザイン料が10万円を超えることも不思議ではありません。デザイナーの仕事は専門職であるため比較的高額な人件費が必要となり、アマチュアでない限り1日働いて2、3万円ということは絶対にありえないのです。そしてデザイン制作において意外と知られていないのは、依頼主とのコミュニケーションに時間と労力を割いているということ。依頼主の意向を知るために打ち合わせやデザイン案が必要になり、そのための人件費がどうしても必要になります。この部分をうまくやりくりすれば、品質を落とさずデザインを提供できるのです。
デザイナーズ診察券ではあらかじめ多くのデザインを用意し、それを注文する人が選ぶことでコミュニケーションにかかるプロセスをスマートにしています。たくさんのデザインを用意するのは大変手間のかかることですが、これによりデザインの品質を落とさず低コストで提供できるのです。
会社や事業でオフィシャルサイトを持っているのが当たり前になった現在。ほとんどのクリニックでもWEBサイトを持ち、診療内容などの情報を公開していることと思います。20年ほど前では「特別」だったオフィシャルサイトですが、現在では持っていることが「マナー」になりつつあります。クリニック名で検索したときにオフィシャルサイトが見つからないと「つぶれてしまったのかな?」と思ってしまうほど、オフィシャルサイトの公開はクリニックの存在を示す大きな役割を担っています。デザイナーズ診察券にご注文いただく診察券でも「WEBのURLを記載してほしい」「QRコードをレイアウトしてほしい」といったご希望をいただくことが多く、選んでいただいたデザインをベースにWEB情報の追加に対応しています。診察券に記載するWEB情報にはいくつかのパターンがありますので、ご紹介させていただきます。
「ホームページ」という名前の誤解
まずはじめに、押さえておきたいワードに「ホームページ」があります。「HP」と略して使われることもある言葉で、「詳しくはホームページにて」といった感じに広く使われている名称ですが、その意図に反して言葉が誤っていることを理解しておきましょう。ほとんどの場合「ホームページ」は「WEBサイト」と同じ意味として使われていますが、本来「ホームページ」という言葉が意味するのは、ブラウザに設定された初期画面のこと。インターネットを見るときにブラウザを立ち上げ、はじめに表示されるページのことです。自分で設定していない場合はyahooやgoogleのトップページだったり、スマホのブラウザではdocomoなどケータイキャリアのトップページに予め設定されています。ブラウザのホームボタン(家マークのような)をクリックして表示されるページと言えば、わかりやすいでしょうか。
WEBサイトのトップページを「ホームページ」と呼ぶこともあります。WEBサイトには必ずトップページがありますが、一番はじめに表示されるメインのページを「ホーム」と呼ぶことから、「ホームページ」と呼ばれるようになったのかもしれません。
どちらにしても、現在多くの人が使っている意図とは違っていることがわかります。「ホームページ」がWEBのトップページを指していたとしても、伝えるための情報がトップページにすべて記載されていることはないので「詳しくはホームページにて」という言い方は、間違いと思った方がいいでしょう。意味を正確に捉えず、大手企業やメディアがカタカナで流通させてしまった結果、間違った言葉で定着してしまった…。嘆かわしいかな、こういったことは日本では珍しいことではありません。日本でも多くの外国人が暮らすようになり、英語圏の人が理解できない間違った英語を使い続けることは、あまり関心できません。インターネット上で公開されているWEBについては、ホームページではなく、WEB、WEBサイト、オフィシャルサイトといった言葉を使いましょう。
QRコードをレイアウトする
最近多いご希望の1つに「QRコードを追加してほしい」というオーダーがあります。ちなみうに、そういったご希望に対し追加費用は発生しませんのでご安心ください。QRコードのリンク先は主にクリニックのWEBサイト(トップページ)ですが、WEBサイトの特定のページでURLの文字数が多くなってしまう場合や、予約のできるページ、外部の予約システムページなど、ダイレクトに導線をつくれるのが大きなメリットです。
文字を添えずにQRコードだけ追加すればクリニックのオフィシャルサイトだと認識できますが、予約のページやgoogle mapにリンクする場合は、「WEB予約」や「地図」といった言葉を添えておくと、利用者がQRコードのリンク先を明確に知ることができます。
QRコードはスマートフォンから専用のアプリを使って読み取ります。QRコードの認知率は高まっていますが「QRコードをどう読み取ったらいいのかわからない」という人も必ずいるでしょう。しかし、様々なサービスがQRコードを普通に取り入れている現在では、QRコードを使い慣れた人の方が圧倒的に多く、上手に使うことで利用者の利便性は飛躍的に向上します。
検索ワードをレイアウトする
決して新しい手法ではありませんが、検索ワードをレイアウトするのもWEBがあることを伝える有効な方法です。検索ワードをレイアウトする場合は、クリニック名による検索結果で、最上位にオフィシャルサイトが表示されることが必須条件になります。WEBを公開したばかりで、固有名称でも検索ワードで上位に表示されない場合には、あまりお薦めできません。
URLをレイアウトする
QRコードや検索ワードより、一番スマートで場所を取らずにWEBの存在を伝える方法が「URL」の記載です。例え小さくてもWEBのURLが記載されていれば、オフィシャルサイトがあるということが明確にわかります。クリニックの利用者が記載されているURLの文字列を、ブラウザに打ち込んでWEBサイトを見ることは少なく、ほとんどの場合クリニック名や地域名を検索してWEBサイトにたどり着くと思いますが、万一検索でたどり着けない場合でも、URLが記載されていれば必ずクリニックのWEBサイトにたどり着くことができます。
URLを記載する際、説明として「ホームページ」という言葉は不要です。「ホームページ」は言葉として正しくはありませんので、説明の言葉をつける場合には「WEBサイト」や「WEB」を使いましょう。
URLは「https://」もしくは「http://」で始まる文字列です。これはインターネットを利用するほとんどの人が知っていることなので、説明の言葉は必要ないと考えることもできます。Eメールアドレスも同じ理由で説明の言葉は必要ありません。Eメールアドレスは必ず文字列に「@」が付きます。「@」が付いていることでEメールアドレスだとほとんどの人が理解できるので、わざわざ説明を加える必要はないのです。レストランでフォークが運ばれてきたときに「これはフォークです」とは誰も言いませんよね。多くの人が言わなくてもわかることに対して、過剰な説明は不要です。
WEB情報を適切に記載する
WEB情報をどのように表示するのか?予約サイトへ直接リンクしたい場合には「QRコード」それ以外は「URL」。そのようにシンプルに考えてはどうでしょうか?やたらと長いURLを文字列で表示するのはスマートではないし、スペースの余白がほとんどないのにQRコードを詰め込むのはレイアウトに無理がある。WEB情報の記載は、QRコードやURLの特性を理解して決めることをお薦めします。
診察券をつくる前に、皆さんはどんなことを考えるのでしょうか?明るい色がいいとか、清潔感のあるデザインがいいとか。あるいは、安っぽくない方がいいとか、できるだけコストを抑えたいとか。しかし、デザインや料金を検討する前に、もっと大切なことを考えておくことをお薦めします。もっと大切なこと?そんなことってあるの?あるんです、実は。
どんなクリニック?
診察券をつくる前に、自分のクリニックがどんなクリニックなのかを考えましょう。どんな街にあって、どんな人が利用しているのか。利用者の性別や年齢層、昔からあるクリニックなのか、最近開業した新しいクリニックなのか。現在の状況と、今後実現していきたい理想像。様々な角度からクリニックのことを分析することで、現在置かれたポジションと目指すポジションが明確になってきます。「何をいまさら…」と言わずに、ぜひやっていただきたいと思います。日頃理解していると思いがちですが、いざ自分のクリニックのことを見つめ直すと、立地と業務があっていなかったり、未来のビジョンと現在の状況のズレが浮き彫りになったりと、気づかなかった問題点を発見することもできるのです。
自分のクリニックについて改めて理解が深まれば、今「必要なもの」が自然とわかってきます。改装してモダンな内装になったのに診察券がレトロな雰囲気ならモダンな診察券をつくる、女性の利用者が多いのに診察券が男性的なら女性的なデザインの診察券をつくる、といった具合に、「必要なもの」を前提に診察券を考えることができます。デザインも印刷仕様も色々あって選べない…。そういう方は、まずはじめに「自分のクリニックがどんなクリニックなのか」を考えてみてください。
診察券を単独で考えない
診察券のデザインを選ぶ、あるいは考えるときのポイントですが、診察券だけで考えないことが大切です。診察券はクリニックを運営するための1つのアイテムですが、デザインされたものは診察券だけではないはずです。クリニックのロゴ、それをレイアウトした屋外の看板、WEBのデザイン、パンフレットや封筒。クリニックを運営するためにデザインされたアイテムは意外とたくさんあるものです。例えば、ビルや内装のカラーリングも「配色」というデザインだったりもします。それらを含めたクリニックのイメージで、診察券のデザインを選ぶようにしましょう。
診察券だけで考えると、配色は赤でも青でも緑でもいいように思われがちですが、クリニックの内装やWEBのテーマカラーが「茶色」であれば、やはり診察券の配色も「茶色」で考えるべきです。細かいデザインのディテールもそうですが、クリニックの印象に1番大きく影響するのはカラーリングです。WEBは緑、看板は青、診察券は黄色となったら、利用者は間違いなく混乱してしまいます。診察券を決める際には診察券単独で考えずに、ロゴやWEBなど他のデザインや配色との整合性を考えて決めていきましょう。デザインの整合性をとることで安心感と信頼性を訴求できることは、ブログ「安心感の生まれる背景」でもご紹介しています。
コストとオペレーション
診察券をプラスチック製にするのか、あるいは紙製にするのか。それは、クリニックを運営する上で診察券のコストがマイナス要因にならないよう気をつけて決めましょう。保険適用以外の項目が多く、料金はかかっても品質の高いサービスを提供するクリニックの場合、厚みのあるプラスチックカードや耐久性の高いペットカードがお薦めです。紙製以外の印刷では割高になってしまうイメージがありますが、注文数によって単価が違ってくるため、必要枚数を考えつつもなるべく1度に多く注文するのも、賢い注文方法です。例えばプラスチックカード厚さ0.3mmの場合、100枚注文した場合には¥24,000なので1枚あたりは¥240、2000枚注文した場合には¥91,000なので1枚あたりは¥46、といった具合に枚数が多い方が単価は低くなります。(料金は税抜・2019.4現在)
また、診察券の裏面に予約表を印刷するか、あるいは予約シールを貼るか、といったことについては、受付のオペレーション効率を考えて決めましょう。1人の利用者につき週1回以上予約が入り、予約表がすぐに埋まってしまう場合には、貼替えする予約シールを使った方がいい場合もありますが、オペレーションの手間を考えると紙製の診察券を都度交換して使う方が、効率がいい場合もあります。
診察券作成で後悔しないために
診察券に限らず何でもそうかもしれませんが「とりあえずつくっちゃえ」ということでつくったら、後悔することになるかもしれません。後悔先に立たす。診察券をつくる前に、ぜひ考えてほしいことをご紹介しました。
インターネットの普及にともない、現在ではEメール(E-Mail)を使った連絡のやり取りが電話を凌ぐ勢いで一般的なものになっています。総務省の調べでは2016年のインターネット利用者数は1億84万人(日本の人口を上回るという奇妙な数字になっていますが…)ビジネスシーンではコニュニケーションのほとんどをEメールで行う分野も増えています。書類の送付、意思の確認、複数人への連絡、友人とのやり取り。とにかくEメールがないと機能しない世の中であることは間違いない今日です。
本サービス【デザイナーズ診察券】も、お客さまとのやり取りにEメールを利用していますが、クリニックのEメールについて「知っておいてよかった」ということもありますので、ここに紹介させていただきます。
Eメールの仕組みを理解する
Eメールはどういう仕組みで送受信されるのか?正直それは知っていても知らなくても、どっちでもいいことですが、大まかに理解しておくとスッキリするので簡単な図で紹介させてください。
Eメールを送信する側と受信する側では、それぞれサーバーが関与しています。サーバーについては「大きなコンピューター」だと思ってください。送信者が自分が使っている「サーバーA」へEメールを送信すると、受信者が使っている「サーバーB」へ転送され、そこから受信者の元にEメールが届きます。Eメールの仲介をするサーバーは、OCNやNUROなどのプロバイダー、docomoやauといったケータイ会社、ロリポップやお名前.comといったレンタルサーバーサービスが所有していて、それらと契約することでインターネットやEメールを利用することができます。
Eメールを送受信する方法は2タイプ
Eメールを送受信する方法は大きく分けて2種類あります。
- メールソフトを使って送受信する
- ブラウザを使って送受信する
【1】は、パソコンに附属するメールソフトを使って送受信する方法です。スマホでも同じですが、windowsなら「Outlook」macなら「メール」といったソフトが付いてきますが、それらを使ってメールを送受信します。(少しややこしいのですが、ソフトのことをアプリケーションと言ったり、メールクライアントと言ったりもします。)送受信したメールの内容は、パソコンやスマホの中に保存されます。
【2】は、パソコンの中にあるメールソフトは使わず、ブラウザを使って送受信する方法です。ブラウザとはインターネットを見るためのソフト、Internet ExplorerやSafariといったソフトになります。パソコンの中にあるメールソフトは使いませんが、代わりにGoogleやYahooといったサービス(無料)を利用することになります。送受信したメールの内容は、パソコンやスマホの中に保存されず、利用するサービス(GoogleやYahoo)のサーバーの中に保存され、それをブラウザを介して確認することになります。
【1】でも【2】でも、同じようにEメールを送受信できますが、【1】の場合は、とてもデメリットが大きいことを知っておきましょう。1番のデメリットはパソコンやスマホに受信したデータがどんどん溜まっていくことです。写真や書類が添付されたEメールが何年も蓄積したらハードディスクの容量を圧迫することになり、パソコンの動きが悪くなったり、思わぬトラブルの原因になります。万が一パソコンが壊れてしまったときには、大切なEメールの内容が消えてしまうことも…。コンピューターに保存される容量は、少なければ少ないほど故障のリスクを少なくすることができます。空き容量が30GBあるからと言って、あと30GB使っていいということではありません。
スマホについても同じことが言えます。写真や動画といった容量の大きいファイルに加えEメールのデータまで蓄積されたら、あっという間に空き容量を失ってしまいます。また、盗難・紛失と悲しい出来事があると、保存されたデータを悪用されたり、得意先や友人にまで迷惑をかけることになります。パソコンでもスマホでも、コンピューターの中身は、なるべく「すっからかん」の方が安全なのです。
Eメールのドメインは3タイプ
ドメインって何?という方もいるかもしれませんが、Eメールアドレスの@(アットマーク)以降の文字列だと考えてください。Eメールが「info@●●●.com」なら「●●●.com」がドメインです。ドメインの種類を大きく分けると次の通りです。
- キャリアのドメイン
- フリーのドメイン
- 独自ドメイン
【1】は、ケータイキャリアのドメイン(docomoやsoftbankのケータイ(スマホ)を契約すると使えるドメイン)やプロバイダ(OCNやケーブルテレビといったプロバイダと契約すると使えるドメイン)のことになります。@以降が「@docomo.ne.jp」という具合にケータイ会社やプロバイダ会社の名前が入ります。【デザイナーズ診察券】のお客さまの中にもケータイキャリアのEメールアドレスを使われている方が多いのですが、ケータイキャリアのドメインは、初期設定でケータイ以外からの受信を拒否したり、添付ファイルの制限があったりと、スムーズにやり取りを行えないリスクがあります。
【2】は、GoogleやYahooといった無料サービスのドメインです。@以降が「@gmail.com」という具合にサービスの名前が入ります。クリニックで使われているアドレスでは、最も多いドメインかもしれません。ブラウザを使って送受信するので、アカウントとパスワードさえ憶えておけばパソコンやスマホに複雑な設定をする手間がないので、買い替え、紛失、故障といったときに困ることがありません。旅先のインターネットカフェでEメールを確認するのもスムーズです。
【3】は、クリニック独自のドメインになります。「info@●●●.com」という具合に、@以降にクリニックのドメインが入ります。WEB(ホームページ)をお持ちのクリニックであれば、既に持っているドメインと考えてください。独自ドメインの取得と維持には費用がかかります。しかし、事業を営む上でWEBやパンフレットを持っていることと同じように、独自ドメインのEメールは信頼性を高めるものになるので、特別な理由がない限りクリニックのEメールは【3】の独自ドメインのEメールを使った方がいいでしょう。
最適なクリニックのEメールは?
Eメールをメールソフトを使って送受信していると、パソコンやスマホの故障時に大切なデータを失ってしまう。Eメールアドレスは「独自ドメイン」を使った方がいい。ということでお薦めしたいのは「独自ドメインのEメールをgmailで送受信する」という方法です。
独自ドメイン(●●●.com)のEメールは、運用するためにサーバーを契約することになりますが、送られてくるEメールを任意のgmailアカウントへ転送する設定をしておきます。gmail側ではサーバーの情報を入れてサーバー経由で送信する設定をします。これで、オフィスでも自宅でもgmailにログインすることで、独自ドメインのEメールを送受信することができるようになります。送受信したEメールのデータは、googleのサーバーに保存されることになります。
gmailはビジネスシーンで利用者が急増しているサービスです。ビジネスではケータイキャリアやフリーメールのアドレスを使うことは信頼性を失うことになるので、gmailで送受信するけれどgmailアドレスは使わず、独自ドメインをgmailで送受信するという方法を取っている人が大多数だと思われます。パソコンも数年使っていると調子が悪くなったりするものです。ふとした時に数年前のEメールのやり取りを調べたくても、パソコンを買い替えた後では昔のデータが残っていない、なんてこともあります。gmailで送受信していればパソコンやスマホを買い替えても、データが端末ではなくgoogleのサーバーに残っているので、いつでも過去のやり取りを参照できます。パソコンやスマホの買い替えでの煩わしいメール設定も不要です。僕も数年前からgmailで独自ドメインを送受信していますが、業務効率がかなり向上しました。
WEB(ホームページ)で既に独自ドメインを持っているのに、なぜかEメールはキャリアやフリーのものを使っている。そんなのもったいないですよね?gmailで独自ドメインを送受信する。ぜひ、お薦めします!
他国に比べて日本では「安心感」が非常に高いプライオリティを持っています。何かを購入するとき、サービスを申し込むときに、私たちは無意識に「安心」という基準で物事を判断しています。例えばスーパーで買いものをするときも、商品の陳列がきれいだとか、ラップで包まれていて清潔だとか、店員の説明が丁寧だとか、自分が安心できるかどうかで買いものかごに入れるかを決めていると思います。腐っているかもしれない…、そういう不安要素がありながら食べものを口に入れる人はいませんよね。
デザイナーズ診察券をご注文される際に、注文理由について簡単なアンケートとらせていただいています。デザイナーズ診察券を選んだ理由のトップはもちろん「デザイン」ですが「安心感」を非常に多くの方が選択されています。私たちが知らず知らずのうちに持っている「安心感」に対する価値観の証明と言えるのではないでしょうか?
よく安心と安全は違うと言われます。「安全」は何かしらの機関が決めた基準をクリアしていることで、それに対し「安心」は個々に持つ印象で実はふわふわとして実態のわかりにくいものです。しかし、人が安心感を得るためには、いくつかの条件がきちんとあって、それらを意識することで利用者に「安心」を訴求することができます。では、安心感の生まれる背景は何なのか?そのヒントを紹介させていただきます。
ブランディングの基本
広告業界と関係ない方でも、最近はよく「ブランディング」という言葉を耳にすると思います。ブランディングは、企業が提供する商品やサービスが利用者にとってどんな価値を持つのか、またそれをどうやってアピールしていくか、というマーケティング戦略です。耳慣れない方には難しく聞こえますが、利用者の信頼を築くための足がかりと考えていいと思います。デザイナーズ診察券を運営しているデザインウルフでは、事業の大小を問わず「ブランディングから考えてほしい」とうご依頼をいただいています。ブランディングを構築するには、いくつかの要素が必要になりますが、既にスタートしている事業の場合、その中心は「整理と整合性」になります。整理とは、以下のようなことです。
- 必要なものを見極める
- 不必要なものを処分する
- 優先順位をつける
なんだか部屋を片付けるみたいな話ですが、実際そういうことなのです。自宅のリビングや書斎と一緒で、忙しく毎日を送っているとよくわからないもので溢れてきます。面倒だけれど、時々は整理しないと。それがまさに「ブランドの再構築」という行為です。整理が一段落したら、次に整合性を考えます。
- 価値に矛盾はないか
- 表現に矛盾はないか
同じブランドで「子供向けに特化してます」「大人向けに特化してます」ということを言っていたら、矛盾していることになりますね。矛盾したことを言っている人は信用されませんよね。事業はブランドも同じです。提供しているサービス、表現されるデザインに整合性がなければ、安心感を得ることはできません。
規模の小さいクリニックの運営とブランディングは、あまり関係がないと思われがちですが、利用者に安心感を持ってもらう必要があるのは間違いありません。自分の健康を預けるとなれば、なおのこと。自身のクリニックについて「整理」と「整合性」に気をつけることは、利用者に安心感を持ってもらう足がかりになります。
何気ない矛盾が安心感の敵
WEBやパンフレット、診察券のデザインにも「整合性」が求められます。例えばクリニックのロゴ。安心感を得るためにはクリニックの価値とロゴのデザインにも、もちろん整合性が求められます。「アットホームで家族感溢れるクリニックですよ」と言っておきながら、クリニックのロゴが男らしい筆文字のロゴだったら大きな矛盾です。店舗の看板とWEBに使われているロゴがまったく違うものだったら、整合性が取れていないばかりか、利用者にとって非常に不親切な結果となります。カラーリングも同じです。WEBでは緑色、診察券は茶色、クリニックの内装はピンク色では、整合性も何もありません。
表と裏がある人は好かれません。いつでもどこでも、同じスタンスで同じことを話せる人には「安心感」を持つことができますよね。
わかりやすさが安心感の源
安心感を得るためには、ある程度「わかりやすい」ことも大切です。人は「何だかわかりにくいなぁ」という印象を持ってしまうと踏み込めないものです。わかりにくいものは、なぜわかりにくいのでしょうか?それは発信側に「わかりやすくしよう」という気持ちがないからです。美味しいものを食べてもらおう。そういう気持ちの料理人がいないお店の料理はまずい。それと同じです。
わかりやすさを持つことは、あまりハードルが高くありません。他では持っていない特別な価値を持つことと比べたら遥かにハードルが低く、誰でもできることです。診療時間をシンプルにしたり、看板やWEBや診察券を同じカラーリングにしたり、そんなに難しいことではありません。大切なのは利用者の気持ちを想像することです。
整理された診察券で安心感アップ
診察券という小さなメディアも、利用者から安心感を得るツールのひとつです。ロゴやカラーリングに矛盾がないこと、クリニックの情報がわかりやすいこと。そういった点を気をつけていれば、不安感を持たれることなくクリニックの安心感を訴求することができます。ごちゃごちゃしたものでなく、シンプルであることも重要です。表面にクリニック名とデザイン要素、裏面には受付時間や休診日の文字情報と、シンプルにまとめることで整理された診察券になります。
クリニックによっては、保険種別を入れたい、初診日記入欄を入れたい、QRコードを入れたい、といったご希望があり、診察券の表裏にどうやって整理したらいいかわからないという方もいると思います。そういう場合には、デザイナーがバランスを考えて整理させていただいています。スペースに入る、入らない、こう整理した方がわかりやすい、といったことも提案していますので「安心」してご利用ください。
診察券をつくる前に、診察券に記載する内容を整理することからはじめましょう。表面のデザインを選んでから裏面の内容を決めるのではなく、裏面の内容を決めてから表面を選ぶとスムーズに整理することができます。デザイナーズ診察券での診察券注文の流れについては、注文方法のページで確認してください。
まずは裏面から
表面のデザインをどんなデザインにするのか?それは最後に考えましょう。まずは裏面から、それが診察券の内容を整理する際のポイントです。裏面に何を記載するのかを決めておけば、表面のデザインと表面に何を記載したらいいのかを判断しやすくなります。逆に表面を先に決めてから、裏面のことを考えると表面と裏面の情報が不必要に重複したり、決めたデザインでは情報がうまく入らなかったりと、本来簡単な作業がとっても難しくなってしまいます。診察券の内容の整理は、まず裏面から考えましょう。
予約が必要なクリニックの場合
すべての診察が予約制のクリニックの場合、裏面に予約表をレイアウトする必要があります。クリニックの利用者は診察券裏面にある予約時間を頼りに、次回来院することになるでしょう。デザイナーズ診察券では、予約表12回01、予約表12回02、予約表21回の3タイプを用意しています。
予約表12回01の場合、電話番号、住所、受付時間、休診日とクリニックに関する情報がすべて記載されているので、表面にはクリニック名だけが表記されていれば大丈夫です。表面をスッキリ、スマートにまとめたい場合には、こちらのタイプを選んだ方がいいと思います。表面はクリニックを表す「記号」的な役割のみをはたすことになるので、極端な例ですがクリニック名すらなくても機能します。クリニックのロゴマークだけ、あるいはデザインだけが表面にレイアウトされていたとしても、裏面にしっかりクリニック名とすべての情報が記載されていれば問題ないのです。また、片面に情報が集約されているため、情報が両面にまたがるよりも見る人には「やさしい」と言えます。
予約表12回02、予約表21回の場合は、クリニックの情報が含まれないタイプの裏面になるので、表面にクリニック名、電話番号、住所、受付時間、休診日といった最低限の情報を記載する必要があります。こちらのタイプを選んだ場合には、表面のデザインを決める際に「クリニックの情報が入るデザイン」を意識して選ぶ必要があります。表面のデザインには左右に余白があるもの、比較的スッキリしたデザインを選んだ方がいいでしょう。
予約が不要なクリニックの場合
予約制ではないクリニックの場合は、裏面に予約表をレイアウトする必要はありません。時間表を入れたタイプやシンプルに文字情報を整理したものを裏面のレイアウトに選びましょう。裏面に電話番号、住所、受付時間、休診日とクリニックに関する情報がすべて記載されていれば、表面はクリニック名だけの表記で問題ありません。また、文字情報が入っているデザインのものでも、裏面と重複する情報であれば割愛してスッキリとスマートに仕上げることができます。
裏面の内容から考えることで、表面のデザインや記載する内容も決めやすくなります。診察券の内容を整理する際は、裏面からはじめてみましょう!
安い、速い。近年重宝されているオンデマンド印刷。その仕組みと特性とは?メリットとデメリットを交えて、診察券の印刷の種類についてまとめました。
少ない枚数を印刷したい。できるだけ低コストで印刷したい。安くて速い、まさに現代のニーズに応える印刷方法が「オンデマンド印刷」です。近年の印刷が以前と比べて安くなった原因のひとつにこのオンデマンド印刷があります。デザイナーズ診察券のプラスチックカードでも採用しているオンデマンド印刷。その特徴をご紹介します。
オンデマンド印刷の仕組み
オンデマンド印刷機は、オフィスやコンビニで使われているカラーコピー機と似ています。おフェット印刷のようなインクを紙に転写するための刷版をつくらずに、デジタルデータからダイレクトにプリントするシステムです。オフセット印刷よりも印刷機が小型なため、ポスターなど大きいサイズの印刷には向かず、A4、A3といった小さいサイズの印刷が主流です。
オフセット印刷と同じく網点と呼ばれる点(ドット)の集合とCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)と呼ばれる4つの色で、写真や文字など様々な造形を表現する印刷方法です。オフセット印刷と異なるのは、色を着色するのにインクではなくトナー(粉末状)を用いることです。
オンデマンド印刷のメリット
オンデマンド印刷のメリットはたくさんあります。まず、小ロットの印刷ならば料金が安いこと。通常の印刷と比べると低い費用で印刷できるのが大きな特長です。また、インクではなく速乾性のトナーを使って印刷するため、インクの乾きを待つ時間がいらず、素早い納期が実現しています。安い、速い。それがオンデマンド印刷です。
オンデマンド印刷のデメリット
安くて速いオンデマンド印刷ですが、そのデメリットはオフセット印刷よりも印刷精度が劣るのことです。細い線や小さな文字といった細かな描写においては、オフセット印刷の方が精度が高いのが一般的です。また、グラデーションなど滑らかなトーンの変化を表現するのも、得意ではありません。またカラーコピー機がそうであるように、一度に大量の印刷をするのではなく、1枚1枚プリントアウトされるシステムなので、刷り始めのものと刷り終わりのものとでは、若干の色の誤差が生まれることもあります。オフセット印刷と比べると品質が低い、それがオンデマンド印刷の欠点と言えます。
印刷機の違いによる品質の違い
従来のオフセット印刷と比べると印刷品質が低いオンデマンド印刷ですが、各印刷会社によって使用する機種が違い、その違いが大きく印刷品質に大きく影響します。もちろん印刷機の違いによる品質の違いがあるのは、オンデマンド印刷に限ったことではありませんが、印刷機のクオリティの違いが如実に現れるのがオンデマンド印刷です。だから同じオンデマンド印刷と言っても、印刷会社によって品質の違いが生まれるのです。
オンデマンド印刷を採用した診察券
デザイナーズ診察券でオンデマンド印刷を採用しているのは「プラスチックカード」と「ペットカード」です。プラスチックカードの方はプラスチック加工の工程が入るので決して「速い」というわけではありませんが、発色のいい高品質オンデマンドを採用しているので品質には自信を持っています。ブラック1色の裏面は、記入しやすいマット素材を使用しています。
ペットカードの方は表裏ともにマットな素材です。記入もしやすく0.25mmと超薄型のペットカードは、そのスマートな佇まいから人気が高く、ご注文もたくさんいただいています。こちらはオンデマンド印刷の中でも精度の高い印刷機を使用してつくるので、細かな描写にも耐えられる仕様となっています。ぜひ、ご注文ください!
私たちが日常的に目にする印刷。それらは様々な種類の印刷方法によって、様々なカタチを持って印刷されています。見ただけですぐに種類がわかるものから、凝視しても種類が判別できないものまで。現代には本当に多くの印刷物が溢れています。代表的な印刷の種類を挙げると…
- オフセット印刷
- グラビア印刷
- フレキソ印刷
- オンデマンド印刷
- インクジェット印刷
- シルクスクリーン印刷
- 活版印刷
といった印刷の種類があります。グラビア印刷は多くの雑誌で採用されている印刷、布やアートに使用されるシルクスクリーン、といった具合に印字されるもの(紙など)や印刷適性やコストを考えながら、それぞれの目的に合った印刷方法が採用されています。その中でも最もポピュラーな印刷方法「オフセット印刷」をご紹介します。
オフセット印刷の仕組み
オフセット印刷は最も多く採用されている印刷方法です。広告、ポスター、チラシ、カタログ、書籍など、そのほとんどがオフセット印刷で印刷されたものです。まさに紙に印刷するならオフセット印刷、と言っても過言ではないほど紙印刷のスタンダード、それがオフセット印刷です。
20年ほど前までは、印刷の世界は完全に「アナログ」でした。デザイナーはパソコンを操作する人ではなく、デスクに向かってペンやカッターや三角定規を持ち、描いたり、計ったり、切ったり、貼ったりして印刷原稿をつくっていました。その過程がデジタル化によって一気に簡略化され、印刷工程も大きく変化しました。パソコンやデジカメと同じように印刷機の品質もデジタル化と共に向上しましたが、根本的な印刷の仕組みは変わっていません。
オフセット印刷は網点と呼ばれる点(ドット)の集合とCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)と呼ばれる4色のインクで、写真や文字など様々な造形を表現する印刷方法です。例えばグリーンを表現するためには、グリーンのインクを使うのではなくC(シアン)とY(イエロー)を重ねて印刷することでグリーンを表現しています。デザインが定着された版にインクを乗せ、付着したインクをブランケットというローラーに写し、それが紙に転写されます。4つのインク(CMYK)についてこの工程が完了すると1枚の紙にフルカラーが表現されるのです。印刷された紙は、インクの乾燥、紙のカットという工程を経て印刷物が完成します。
安定した品質のオフセット印刷
オフセット印刷の品質は、他の印刷方法に比べ「安定している」と言われます。しかし誤解してはいけないのは、印刷は決して「一定ではない」ということ。あらゆるものがデジタル化されて何についても正確さが当たり前のようになった世の中ですが、印刷機で印刷するという仕組みは、あくまでアナログであるのは変わらないのです。デジタルの世界では「2」という数字をEメールで送れば、受信先でも「2」と表示される正確な環境が実現していますが、印刷という行為はあくまでアナログなので、印刷機の調子、インクのコンディション、季節や湿度、従業員の勤勉さなど、それはもう挙げたらキリがないくらい外的要因に品質が左右されてしまうのです。
家庭のインクジェットプリンターで「300枚年賀状を印刷してみよう」というシーンで、始めに印刷した色味と最後に印刷した色味に違いが出てしまう、そんなことがあると思います。業務用の印刷機でも同じようなことが起こり得るのです。しかし、オフセット印刷の場合、目にも留まらぬ速さで大量の数の印刷をあっという間にしてしまう。だから、始めの1枚と最後の1枚に品質の違いが出にくい。オンデマンド印刷やインクジェット印刷と比較して、品質が安定しているのはそこに秘密があるのです。
大量印刷に向いているオフセット印刷
オフセット印刷は多くの場合、仕上がりサイズのものを1枚ずつ印刷するのではなく、大きな紙に同じデザインを複数配置し、まとめて刷っておいて後でカットするという工程をとっています。そのため、1000枚、10万枚といった大量の印刷でも、短時間で印刷することが可能です。また、1つの印刷物をつくるために要する作業員が機械を調整する手間や業務上のコストは100枚でも1000枚でもあまり変わらないため、大量に印刷した方が1枚あたりの印刷コストを抑えられるというメリットがあります。例えば100枚印刷した場合に1万円かかったとして、200枚印刷した場合には1.5万円といった具合に、枚数を増やせば増やすほど1枚単価は安くなります。オフセット印刷で小ロット印刷するのはもったいない、と言われるのはそういう理由です。
オフセット印刷を採用した診察券
デザイナーズ診察券でオフセット印刷を採用しているのは「ペーパーカード」です。オフセット印刷は網点(ドット)が細かいため、繊細なグラデーションや写真、小さな文字やマークを美しく再現することができます。少し厚めの印刷紙にオフセット印刷し、表面には品のあるマットPP加工を施しています。診察券の角はエッジで肌を痛めることのないよう角丸に加工。紙製でありながら、機能と上質を兼ね備えた印刷仕様を採用しています。「診察券はプラスチック製で」と考えていた方にも、ペーパーカードにしてよかったという反応をいただくほど、多くのクリニックに満足しただいている紙製の診察券です。
サイズは通常サイズとコンパクトサイズの2種類から。デザイン込でかなりリーズナブルにご提供しています。ぜひ、ご利用ください!
診察券はクリニックにとっては業務を効率化するものですが、それと同時にクリニックを利用する患者さんが「使う」ものなので、利用者の立場に立った考え方でつくる必要があります。クリニックの都合だけでなく患者さんの「わかりやすさ」に配慮することは決して特別なことではなく、押さえておきたい「マナー」です。とても細かいことですが、診察券に表記する「時間」もその1つです。
診察券の表面または裏面に表記するクリニックの運営時間には、一般的に2種類の表記があります。それは「受付時間」と「診療時間」です。クリニックの運営方針によってどちらの表記を採用するのかが決まりますが、きちんと表記しないと利用者の誤解やトラブルの原因になることもあるので、気をつけましょう。「受付時間」を表記する場合でも「診療時間」を表記する場合でも、利用する患者さんのために、わかりやすく表記することが何よりも大切です。
受付時間を表記する
例えば、午前中の診療を9:00〜12:00に受け付けるとき、受付時間を基準に表記する場合は、上記のように「【受付時間】9:00〜12:00」と表記します。診察券や保険証といった受付に必要なものを12:00までに提出すれば受付は完了し、診療を受けることができます。クリニックが混雑していて、順番待ちが何人もいたとしても、12:00までに受付をすることで午前中の診療を受けることができるという約束事になります。実にシンプルでわかりやすい表記ですが、実際に診療する時間の限度が曖昧になるので、医師やスタッフの負担は考慮しなければなりません。しかし、クリニックの利用者にとっては何時に行けば診療を受けられるのかが「受付時間」によって明確にわかるので、受付時間を基準に表記するのは、利用者の立場に立った考え方に基いていると言えるでしょう。
裏面に受付時間の表をレイアウトした場合、このようになります。表の中に「受付時間」と表記されていれば、利用者は「その時間内にクリニックに行けばいい」と考えます。
診療時間を表記する
診療時間を基準に表記する場合は、上記のように「【診療時間】9:00〜12:00」と表記します。医師やスタッフにとって、勤務時間を理解する上で大変わかりやすい表記と言えますが、その半面、利用者にとっては誤解を招くトラブルがあります。体調を崩してクリニックに訪れる利用者が「12:00までに間に合うよう急いで来たのに、受付が終了していてガッカリした。」といったことにならないよう、診療時間の表記だけでなく受付時間についてもしっかり補足しておく必要があります。「受付は診療終了30分前まで」といったわかりやすい言葉を表記しておくことで、時間の誤解によるトラブルを未然に防ぐことができます。
裏面に診療時間の表をレイアウトした場合、このようになります。表の中に「診療時間」と表記し、「受付は診療終了30分前まで」と加えておけば、利用者は「診療終了30分前までにクリニックに行けばいい」と考えます。
また、時間を表記する際、時刻の前にAM・PMまたは午前・午後とつけることがよくありますが、時間の表記にも注意が必要です。それについては別の記事「受付時間の表記はAM?午前?」をご参照ください。デザイナーズ診察券では、ベースとなる診察券の裏面のレイアウトサンプルを選んで注文することができます。ご注文前にぜひ、ご参照ください。
デザイナーズ診察券をご注文いただいているお客さまには、「受付時間」を表記するクリニックさまも「診療時間」を希望されるクリニックさまもいらっしゃいます。どちらを採用されるかはクリニックの運営方針によると思いますが、診察券への表記は「できるだけシンプルにわかりやすく」という配慮を忘れずにいましょう。診察券の表記はトラブルを回避するというクリニック側の意図もありますが、診察券はあくまで「患者さんのためのもの」という意識で制作しましょう。
診察券の役割には、2つの面があります。1つは受付の効率化といったクリニック側の役割です。これは診察券に患者さんの名前とカルテや履歴と紐付ける番号が記載してあれば条件を満たすことができます。もう1つの面は患者さん側の役割です。予約するための電話番号やクリニックの受付時間を素早く知るために、診察券は患者さんにとって大切な役割を持っています。
クリニックの利用者がクリニックの情報を素早く知るためには、診察券にその文字情報が記載されていれば満たすことができます。しかし、診察券はそれとは違う重要な情報を持っています。それは「印象」です。例えば、はじめて訪れた患者さんが診察を終えた時、クリニックを正確な名称で覚えていない場合が多いと思います。眼科、皮膚科、内科、歯科とたくさんのクリニックに通院する方なら尚更です。1度しか通院したことのないクリニックについて1ヶ月先、半年先も正確な「名称」で記憶できる人の方が少ないのではないでしょうか。そんなときに患者さんとクリニックをつないでくれるものは、診察券の持つ「印象(イメージ)」です。
診察券のデザインが結びつける
クリニック名の記憶はあやふやだけど、ヒヨコのマークがあったのは憶えている。といった具合に人は直感的な「絵」についてよく憶えていることがあります。クリニックにロゴマークがある場合、診察券にもロゴマークを印刷することでクリニックと診察券の印象が合致し、患者さんが間違うことなく再来院することができます。
診察券の色が結びつける
印象を決定づけるために色の選択はとても重要です。クリニックのテーマカラーと同じ色が診察券にも使われることで、患者さんはたくさん持っている診察券の中から目当てのクリニックの診察券をすぐに見つけることができます。色による識別は銀行やコンビニ、飲食店や販売店といったあらゆる店舗で使われている手法ですが、クリニックにおいてもそれは例外ではありません。
例えば、クリニックがこげ茶色の落ち着いた内装であれば、診察券のカラーリングもこげ茶色をメインに考えましょう。内装や看板やWEBが全部「こげ茶色」なのに、診察券だけが黄色の診察券だったら、患者さんはクリニックと診察券を印象で合致させることが難しくなります。内装は焦げ茶色だけれど、クリニックの印象は「黄色」にしたいということであれば、入り口や受付のカウンターのどこかに黄色のアイテムを設置し、診察券も同じ黄色を配色するといいでしょう。
印象的なデザインの方が診察券の役割がUP
診察券はクリニックと患者さんをつなぐ大切なアイテムです。クリニックを名称で認識していない場合には、診察家の印象とクリニックの印象が合致することが、その役割を果たすために大きなポイントとなります。そのため、診察券は「印象的なデザイン」を持っている方がいい。診察券に限らず何の印象もないものよりも、強いインパクトやわかりやすい造形を持っている方が印象に残りやすいですよね。シンプルで印象的なデザインの診察券をつくることは、患者さんへのささやかな配慮と考えていいでしょう。